フィンランド旅行#04マリメッコ本社へ行った話
早朝、ホテルのサウナに入ると地方から来たという若いフィンランド人と、長い夏休みでヨーロッパを旅しているというイケおじスペイン人、そして台湾からの大学生がいた。みんなヘルシンキののんびりした空気感、自然を親しみそれを大切に生きるフィンランドの風潮が大好きなんだとか。
フィンランドのサウナは日本でいう温泉のような、言わば日常の癒し空間。高級温泉旅館という感じではなく市民が気軽に尋ね、そこにいる人たちと一時の会話を楽しむ。街の至る所にサウナは存在したし、皆んななんとなく明るい表情でサウナは人々から愛され続ける素晴らしい文化なんだと体感した。
4人で旅の話をしているとやはりヨーロッパは夏季休暇が長いらしく、イケおじスペイン人は今回の旅だけで丸3週間予定しているらしい。日本人は休暇が少なく、というか祝日が多いからこまめにちょくちょく休む生活スタイルは海外から見た日本のなぞらしく、疑問を呈された。そんなことを聞かれても答えられる英語力はなく、ただ簡潔に「すぐ疲れるから。」と答えた。
半分嘘で、半分本当だろう。いつの日かイケおじスペイン人のように悠々自適に全ての日本国民が旅行できるような世の中になることを願う。台湾からの大学生は東京の特に新宿や渋谷の魅力をズラーっと語ってくれた。アニメ文化、小さな街の小さなビル群にいくつもの店がぎっしり入っていること、電車が3分に1度は来ること、などなどだ。
都会の喧騒は田舎者からしたら苦痛でしかないが、とにかく高評価なのだからよかった。何日後かに帰る母国の風景を思い、イラっとしながらも世界は仲良くあるべきだと再確認した瞬間だった。
朝食を食べ終え、赤い可愛い電車に20分ほど乗ってマリメッコ本社へ。マリメッコといえば日本でも特に女性に人気な世界的ファッションブランドで、代表的な花柄の服や雑貨は心を明るく軽やかにするオシャレなブランドだ。マリメッコが似合う明るいオシャレな人といつか結婚してみたいものだ。ということで嫁探しごっこのスタートである。
駅を降りるとまあまあ閑散としていて驚いた。というか田舎である。平日ということもあってか人通りもなく広すぎるだろ、とツッコミを入れたい道路に車がちらほら流れる、ここから世界に羽ばたく製品が生まれているのだ。我々の作る野菜だって捨てたもんじゃない、などと生意気なことを思った。
マリメッコ本社に入ると1階がショップと食堂に分かれており、まずはショップをフラつくとした。食器、洋服、家具、雑貨、全て可愛らしくまさに部屋に置くだけでインテリアとはこのことだと。日本人観光客も何人かおり、特にカップルで来た2人の買い物風景が面白かった。絶対にワンピースが欲しい女子vsお金かかるから勘弁してよ男子の戦いだ。まあどちらの気持ちも分からなくもない。私も女心など微塵もないが(身につけろよ)、マリメッコの男性スタッフが来ていたジャケットが強烈にかっこよく上品で、珍しく服を買いたくなったほどだ。
ショップ奥には生地の切り売りコーナーがあり、おそらく現地のマダムであろう方々が店員さんと話しながら布を選んでいた。この建物自体さほど大きくもなく、遠くから特別目立つような看板もない。しかしながら、このようなオシャレの極みのような営みを目の前に、やはり見せかけの商いではなく本当に喜ばれるサービス、そしてそれをどんなに小さい取引であろうと継続していくことが大切なんだと思った。
ちなみに布つながりになるが、私は仕事(農作業)用の靴下が平均で年2組くらい穴が開く。これは島国・日本の百姓のオシャレである。
ちょうど昼頃だったので隣の社員食堂でランチ。2階で働くマリメッコの社員さんたちもぞろぞろ降りてきて食事を楽しんでいた。スーツの人は1人もおらず、マリメッコでキメてる人もいればゆるい私服の人も。リラックスしているように見えたが、なんといっても大人気ブランド。多忙極まりないだろう。
社食は日替わりらしく、この日は野菜の盛り合わせ、魚フライ定食、豆スープ、デザートはチーズケーキにストロベリーソースをかけたものだった。社食とは思えない本格的なコックさんがおり、味もピカイチだった。大満足。
最近は日本でもユニクロとコラボした商品が発売されていたり、日本でも手に取りやすくなってきている。
改めて、とにかくフィンランドが好きだ。オシャレで可愛いマリメッコ、ありがとう。
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