りゅう
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にんげんっていいな
1998年度からSE-7000(学校用オルガン)を使うようになりました。 これは、なかなかの優れモノで大変重宝しました。 189種の音色を内臓し、何よりも6声部の多重録音ができるのが魅力でした。 6パートというと、ちょっとしたオーケストレーションができる感覚でした。 当時はコンピューター普及前夜の時期であり、「打ち込み」などやっている人は周りにいませんでした。 私は(内臓メトロノーム音を聞きながら)各声部を弾いて重ね録りしました。 記録媒体はフロッピー・ディスク。 録音した演奏は、再生時に各声部のバランス(音量)やテンポ、キーを自在に変えることができました。 授業では、普通にピアノで伴奏することが多かったのですが、パートの音取りや発表時の自動伴奏等にSE-7000をフル活用しました。 自分のフロッピーには、その時々に記録した楽曲が30曲以上たまっていて、98年以降つい数年前まで、そのフロッピーを活用していました。 その後の赴任先は、SE-7000を置いていない学校や、すでに老朽化して使えない状態のものしか置いていない学校もありました。 先日、K小学校のSE-7000をお借りして、私のフロッピーに入っている楽曲をコピーさせてもらいました。 フロッピーも、もう20年以上経っており、いつ読み取れなくなるか分からないような状態でした。 演奏は本当に稚拙なものばかりです。 その時その時に「とにかく使えればいい」ということで、さっさと録音したものばかりであり、例によってミスタッチやパート同士のズレもそのままに記録されています。 編曲(?)も稚拙・・・。 ということで、わざわざ残しておくようなものではないのですが、私にとっては懐かしく唯一無二の演奏なので、K小学校長(古い友人)にお願いして録音させてもらいました。 取り出し方法(ダビング)は、これまたアナクロなアナログ方法で、オルガンのヘッドホン・ジャックからMDデッキのライン入力に繋ぎMDに録りました。 当然ですが、取り出した音源は、もうテンポやパート間のバランスを変えることはできません。 「人間っていいな」は、記念すべき(?)録音第1曲目。 当時、6年担任でしたが、自分のクラス以外にもうひとクラス、音楽の授業をうけもっていました。 これは、そちらのクラス用にと録音したものです。 多重録りが楽しくて、やたらといろんな音を加えてしまっています。
夜空ノムコウ
学校用オルガンSE-7000による演奏(1998年12月) 1998年12月。 担任していたクラスが集会で発表するのに作った伴奏です。 このとき勤めていたのは、とても行事がさかんな学校で、年間を通じて何回も(発表を伴う)集会がありました。 学級単位での参加も任意で認められている場合もありました。 この時は「参加するかしないか」ギリギリまで学級会で話し合っていました。 私はオルガンのスイッチを入れて、そのあとは懸命に歌っている子どもたちを見ていました。 オルガン(フロッピー)に入れた伴奏は、子どもたちの歌声を邪魔しないように「控えめ」「地味」を意識して録音しました。 ミスタッチやパート間のズレを直す間もなく本番を迎えました。 しかし、このときの子たち、短期間で歌詞を見ないで歌えるようになったのはさすがでした。 強要したわけでもないのに、学級会で揉めて揉めて決まったあとの彼らの「本気」モードに、横で聴いていて胸が熱くなったのを今でも鮮明に覚えています。