四つ這いから起き上がる
まずはフェルデンクライスメソッド っていったい何をしてるんだろうという思考から始めてみよう。
ゆっくりした動きの中で、動作を一つ一つ分割してパッチ化にする。それによってその動作が身体のパーツに与える影響を観察できる。また新たにそのパッチ同士を繋いでネットワーク化する。
Rhizomatiks_multiplex展で観たこの作品を思い出した。動きをトラッキングして編集可能なデータに分割。そして新しい解釈や意図を持ってそれらをつなぎ直すことによって新しいイメージを生み出す。
既存の概念や慣習に前倣えすれば多くの場合はうまく事が運ぶ。
しかし「思考」することを自ら放棄してしまう事態に陥りやすい。
なぜ、という本質を見ようとする作業を続けなければ、今抱える問題に対して当てがおうとしているその方法が伝統か悪習か、意味は変わってくる。
それは人それぞれ違う。手足が在る者、ない者。それぞれに合った無駄のない美しい動きの答えがある。
赤ん坊や、小さな子ども、そしてAIは一見意味のない動きを繰り返しながら地面や重力と自分がどう接地しているのか自然に探る。
この世界に生まれ落ちて、そして自分がどうそれと関わっているのか学習している。ここはどこか。自分は何か。
そして自分の形に気づいた瞬間に人は立ち上がり、移動し、新しい旅を始める。
なぜ自然にそういうことができるのかはわからない。AIが人間に「自ら学べ!」とプログラムされているように、人間も誰かにプログラムされた存在なのかも。ならば多くの人が好奇心をもち学ぶことに喜びを覚えるのにも合点が行く。
(そう考えれば単に知識だけを雑多に詰め込むだけの作業は学習じゃないよなぁ)
四つん這いのレッスンから
まるで猫が背伸びをするような動きから、首、背骨と骨盤の動きを探ったのち床面から這いつくばって起き上がる動作。
立ち上がった瞬間足の裏がいつもより地面に張り付いてる感覚になる。自分が塔になったと思った。中心軸にどんと重みを感じる。
レッスンが終わった後、自転車に乗ったのだが、いつもよりなんだかブヨブヨした感触が伝わってくる。タイヤの空気が地面に反発してくる感覚だ。漕ぎだしがいつもより軽い。それがなぜかは良く分からないが頭が勝手にそう感じている。
アニメの攻殻機動隊2ndGiGで全身義体化した人が、車を運転していると自分の身体の延長のように錯覚することがあるって言ってたシーンがあるけど、意識次第では道具と身体に違いはなくなり、外側に感覚を延長できるってことかもしれない。
きっと神経を無線化すれば地球の裏側の人間の肩を触れる日が来るのかも。
とりあえずフェルデンクライスメソッド は数学的かつ哲学的で、素粒子物理学とかその辺の最新テクノロジーと相性がいい気がしてる。(詳しくないけど)
考えれば考えるほどきりがないので今回はこの辺で。
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