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方言の日

2月18日は「方言の日」とのことです。たまには方言の話をちっとんべ話してもクレームとかきねんべ、と思うので、今日はこの話題。

実家の隣のおばちゃんはよく母に「お茶飲みにきないね!」と言っていました。埼玉県北部では「来る」の活用に特色があり、未然形に「き」が現れることがよくあります。「きないね!」は「こない?」に相当します。「きねんべ」の「ねんべ」は「ないだろう」に相当するのですが、年配の方は「なかんべ」ということのほうが多かった気がします。「ちっとんべ」は「ちょっと(くらい)」の意です。

方言は人々の流動によって変化します。年配の人が「なかんべ」で若い人(といっても持田も50代ですが)が「ねんべ」となるのは、高校の学区の影響かもしれません。教育実習のときに秩父から通っていた実習生たちは「けえんべ」と言って籠原駅に向かっていました。熊谷だと「かえるんべ」が普通です。おそらくこの辺りの混交が影響しているように思います。

この語尾の「べ」もしくは「べぇ」ですが、これは「べし」に由来します。「なかんべ」は「なかるべし」から変化したものと考えられています。言語は周辺地域に行くほど古い言い方が残ると言われます。京都には「べし」の痕跡はおそらく残っていないでしょうが、遠く離れた関東には残っていたりするわけです。

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