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中央線と京王線は同時に乗れない

例えば、新宿から八王子に電車で向かうとします。中央線か京王線に乗るわけですが、どちらか一方に乗れば八王子には行けます。両方同時に乗ることはできませんし、両方乗るには別の日時にもう一方に乗ることになります。この場合、八王子に何か用事があって行くというよりは、新宿から八王子に向かう電車に乗ること自体が目的になっていることもあります。

あっ、乗り鉄か、と思う人もいるでしょう。そうです。これは趣味の領域です。

大学受験英語が趣味の人もいるでしょう。蓼食う虫も好き好きです。There is no accounting for taste.とも言います。しかしながら趣味でない人のほうが多いでしょう。大学受験英語が趣味でない人にとって、参考書や問題集に取り組むことは、入試問題が解けるようになるための手段に過ぎません。手段ですから、自分の合うものを一通り選択して実践すればよいのです。ところが実際には参考書に取り組むことが目的になってしまい、受験勉強の本来の目的を見失っている人が多いようです。

大学受験英語は、本来はシンプルなのですが、メディアがもたらすノイズによっていたずらに複雑化されています。いや、ノイズによる複雑化に気づける人は幸せです。多くの受験生はノイズをありがたい情報だと思って真に受けてしまいます。これにより見せかけの学習量が嵩み、実践できれば受験勉強が捗っているように感じられます。しかし実践できなければ自己嫌悪に陥ります。そして実践できた人もその見せかけの学習量の割りに成果が伴わないことで「おれ、頭悪いのかも」という不安を覚えるようになります。

受験勉強は多くの受験生が思っているほど簡単ではありませんが、多くの受験生が思っているよりも単純です。受験勉強が順調に進んでいる受験生はすでにこのことに気づいています。そして、今気づいていない受験生の多くは永久に気づきません。「夏を制するものは受験を制する」といいますが、実際には夏以前から支配権を掌握している受験生と、夏以降も掌握できない受験生との分断が進行しています。今日この記事に出会えた受験生は是非、制する側、支配する側に合流できるように努力を始めましょう。

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