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「大学受験と高校との両立」
妙な話です。学校教育法第90条をご紹介します。
大学に入学することのできる者は、高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。
このため、高校卒業(見込み)は入試の一般的な出願要件となります。この前提がある以上、大学受験のために高校に通うのは当然だろ!という話になるはずです。
しかしながら、現実には高校に行っている時間がもったいない、その時間も受験勉強に充てたい、と考える受験生もいます。もし本気でそう思っているのであれば、高校をやめればいいのです。あらかじめ高認(高校卒業程度認定試験)に合格していれば、これも不可能ではありません。実際に一部の進学校では病気等で高校を卒業できなくなる可能性を見越して生徒に早い段階での高認受験を勧めている先生もいらっしゃいます。
もちろん高校中退は高認合格者だけに付与される選択肢ですから、高認に受かっていない受験生がこれをやれば大学への出願資格を失うことになります。また、時間的制約を取り払えばその分受験勉強が捗るのかというと、そうでもないというのが現実です。いつでもなんでもできる時は、何もしないで終わるものです。このため、より現実的には、学校生活と受験勉強を両立させていくことになります。
そもそも「両立」という問題に直面してしまうのは、学校の勉強が受験とは無関係に感じられてしまっているからです。受験英語に関して言えば、地歴、公民、理科で学ぶことは読解問題の背景知識として生きます。数学は受験に必要でなくても大学を4年で卒業するには必要だったりすることもあります。国語は日本語のしくみを捉えたり各科目の答案作成に必要な言語技術を身につけたりする上で有効です。受験科目であれば教材を受験に役立つように活用すればよいのです。実は、高校の授業で最も受験に役立たない可能性があるのは基礎が身についていない段階での過去問演習で、十分な解説もしてもらえない場合です。この場合も教材をしっかり復習して不明な点は担当の先生に質問しましょう。
授業はともかく高校生活をエンジョイしたい!という人もいるでしょう。そういう人は一生分の青春を謳歌しまくって、卒業してから受験勉強に取り掛かればよいのです。現役合格にはある程度の犠牲が伴うのです。