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鉛筆1本で学ぶ

以前にこんな記事を書きました。

今回は、ノートのお話です。noteではなく、ノートです。デジタルの時代ですが、今でも紙で勉強することは普通にあります。黒板や白板で板書する形式の授業を受けることもまだまだあります。

このときの板書の写し方、メモの取り方はどうしたらよいのか、というのが今回のお話の主題です。蛍光マーカーを使うとか、N色ボールペンを使うといった、色分けの技法がときどき紹介されます。授業でも、先生方が綺麗に色分けした板書をしていることが、塾や予備校などでは特によく見られます。

ノートの色分けは、自分で色の使い分けの基準が明確で、授業中に色の選択に悩まない状態になっているのであれば、それなりに有効です。色分けの技法は、ノートを取る人が色分けの技法を完全に習得してはじめてその効果を発揮します。

では、色の使い分けの基準が自分の中で確立していない場合はどうでしょう。「何色で書こうかな?」と筆箱をガサガサと漁っている間にも、授業は進んでいきます。特に黒板を使う授業の場合は、先生が使う色をそのまま白地のノートに反映することはできません。こういう技法は小中高と授業を受けていく過程でさまざまな筆記具を試しながら確立していくもので、「今日からちゃんと授業を受けよう」と思ってその瞬間から筆記具が使いこなせる、というようなものではありません。

ノートは所詮、「外部メモリ」です。自分の頭に知識が定着することが授業の目標だとするならば、綺麗なノートにまとめたところで、それは資材置き場に資材を置いただけで、組み立てには至っていないのです。つまり、授業中の、その局面ごとの理解を放棄して、慎重に色選びをして綺麗なノートにまとめることに専念したところで、授業を受けて目指すべき到達点には程遠い状況だということです。

こうした状況を回避するには、色分けを諦める潔さが必要です。鉛筆だけで黒板を写し、口頭説明を書きとっていくのです。折れないし、にじまないし、かすれない。このような特徴を持つ鉛筆は、思考を妨げることが最小限に抑えられ、授業に集中することができます。ノートも罫線のものよりも数ミリマスの方眼がおすすめです。見たり聞いたりしたことを自由に書き綴れます。

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