2023年共通テスト本試験(英語R)講評
第1問(A・B)
箇条書きを多用する「非連続テキスト」と呼ばれる素材による、「見る力」を問う問題。今回は設問に「all/both+複数名詞」や無冠詞複数名詞が絡んでいて、単一の情報を拾うのではなく、「共通して言えること」を問うものが見られた。
第2問(A・B)
第2問は第1問よりもまとまった分量の素材が用いられ、レビューやコメントの付いたものが出題されるという傾向が定着しつつある模様。昨年はいったん姿を消していたopinionの設問が復活。ただし文法的に仕分けができない選択肢となっていて、述語で用いられている形容詞・副詞の主観性をしっかり見極めることが大切。
第3問(A・B)
大問別では比較的得意な受験生の多い第3問。Bのほうがadventure roomのイメージがつかみづらいと感じた人がいたかもしれない、設問では文化祭の出しものとして検討だが、本文は「自家用」のレポとなっているので、そこの差分が問3で明確に問われていた。
第4問
左の文章では自らの体験に基づいて持論を展開、これに対して右の文章では研究成果を引用して論証。いずれも文章の展開としては私大・国公立大の個別試験でよく見られるものなので、入試長文全般に習熟してた受験生にはそれほど難しくなかったのではないだろうか。
第5問
設問は令和様式だが、文章自体はセンター試験で00年代中頃まで第6問として出題されていた物語文(ナラティブ)。通読する力の差が得点差につながりやすいところ。人物伝でヤマを張っていて、「センターはオワコン」と思い込んでいた受験生は苦戦したかもしれない。
第6問A
これ、p.31を読み切って「さあ、設問だ!」と思ってページをめくったらもう1つパラグラフがあってびっくりした受験生もいたのでは?(持田はPDFを読んでいてそう思いましたw)ただし、文章としては内容的にも構成的にも標準的なので、時間配分で失敗していなければ問題ないと思われる。
第6問B
これは未知語の定義を確認しながら読み進めることが求められる説明文による問題。tardigrade(クマムシ)という語で「うわっ、何これ?」とフリーズしたら負け。第1パラグラフでこれが生物であることは把握できるので、あとはp.37のスライド案も参考にしながら読み進められれば対応できるものと思われる。
最後に
この記事は、英語の文が読めて、文章を読む練習もある程度経験したきた受験生を想定して書きました。自己採点の結果が60点未満の場合は、文が読めていない可能性があります。文が読めなければ私大や国公立大の個別試験での解答の精度にも影響しますので、徹底した対策が必要です。