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英文法の授業の流派?

今回は文法授業の裏話です。ときどき受験生の間で「あの先生は『英文法解説』派だ」「この先生は『ロイヤル英文法』派だ」という話が出てきます。少し物知りな受験生ですと「あの先生は認知系だ」とか「この先生は生成文法系だ」さらには「あの先生の文法は古い」などと「分析」したりもします。

一つ言えることは、文法の理解しやすさや使いやすさを考えて授業をする先生であれば、ひとつの文法書やひとつの理論だけをよりどころにすることはまずないということです。少なくとも数冊、多ければ千冊以上の本を読んでいます。もちろんどのような本を読んでいるかも重要なので、読んだ本の数が多ければよいというわけでもありません。

私の場合は、文法授業に直接生かしている文献については、少なくとも『ゆっくりとしっかり学ぶ英文法』の執筆に際して参考にしたものは講評しておりますのでリンクを貼っておきます。

この中には受験参考書や一般向けの学習書もあれば、言語学(英語学・日本語学)の専門的な本や論文もあります。専門的な文献はさまざまな理論的枠組みのものを読んでいて、特定の理論のみに依拠することはしていません。

おそらく、私の読んでいる数と質は平均的なものだと思います。私より長く英語を教えている方はもっといろいろなものをお読みになっていると思います。ただし私の場合は国語教育もやっていますから、国語学・日本語学の知見は一般の英語の先生方よりも多く触れているのかもしれません。

こうした多くの文献に触れている先生というのが、私がよくいう「信頼の置ける先生」の必要条件のひとつです。こういう先生は学習者が普通に参考書を読んでも出てこないにもかかわらず「言われてみればそれってすごい大事だよな」と思えることをずばりと指摘してくれたりするのです。

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