「親子で乗り越えた不登校」ー不登校体験記(9)
こんにちは、 MASAYAです!
今回は、娘さんが不登校になった経験を持つお母さんのMさんにお話を伺いました。
Mさんのお話から、「①Mさんの娘さんの不登校」から「②Mさんのご家族への思い」、「③Mさんの現在」についてまとめさせていただきました。
Mさん、ご協力ありがとうございました。
それでは、ぜひ最後までお読みください!
①Mさんの娘さんの不登校
Mさんの娘さん(以下Rさん)は、中学1年生の時いじめが原因で不登校になりました。
学校に行けなくなったRさんは、毎日家で過ごす日々が続きました。
その当時、Rさんは甲状腺低下症という持病を抱えており、記憶力の低下や無気力な状態に悩んでいたそうです。
そこで母親であるMさんの提案で、Rさんはフリースクールに通いはじめました。
そして中学3年生になるとRさんは保健室登校ができるようになり、フリースクールと併用して学校にも通うようになりました。
その後、Rさんは高校受験を経て全日制高校に進学します。
しかしそのころRさんは、精神的に不安定で周りから悪口を言われているんじゃないかと感じる被害妄想などの症状があったそうです。
そうして精神的に不安定だったRさんは、高校1年生の6月ごろに高校に通えなくなり、通信制高校に転校することになります。
通信制高校に入ってからは心の休息を優先してお家で過ごすことが多かったそうです。
そしてRさんはこのころ、リストカットなどの自傷行為をすることがありました。
そんなRさんにMさんは『自分の体と命を大事にして』と涙ながらに話し、その話し合いがきっかけでRさんの様子も少しづつ変わっていったそうです。
高校3年生になるとMさんの提案でRさんはピザ屋さんでアルバイトを始め、同時に1人暮らしをするようになりました。
Rさんは、現在もそのアルバイトを続けながら1人で生活しています。
②Mさんのご家族への思い
Rさんが不登校になった当時を振り返ってMさんは、
「娘は感情をあまり表に出さない子で、私は娘が学校でいじめられていることに気づいていませんでした。
中学1年生の冬、娘から『今日学校に行きたくない』と言われたとき、私はなぜそんなことを言うのかわからずにただ『行きなさい』と促すと、娘は小さい子供のように大声で泣きはじめたんです。
それを見て、『これはただ事ではない。とにかく休ませなければ』と思いました。」
と話してくださいました。
その後、MさんはRさんの心のケアを最優先に行動しました。
精神的に不安定なRさんを1人にするのが心配で、Mさんは仕事を辞め、家で一緒に過ごす時間を増やしたそうです。
お菓子作りや買い物などを通じて、Rさんが安心して過ごせる環境をつくり、少しずつRさんは回復していきました。
不登校中の生活についてもお聞きすると、
「娘が精神的に落ち着いてきたころには、家でずっと過ごすのではなく外に出て社会との関わりを持ってほしいという思いがありました。
学校には行かなくていいと思っていましたが、勉強はしておいた方がいいという思いから、学校以外で勉強ができる場所を探していました。
そして、インターネットでフリースクールを見つけ娘に通うことを提案しました。
最初は、外に出てほしいという思いから、半ば強引に連れて行った所もあったのですが、実際に行ってみると雰囲気が良く、娘も通いたいと思える場所だったみたいで週に1回ほどのペースで通いはじめました。
同じように学校に行けず悩んでいた友達もできて、娘にとってフリースクールは大事な社会とのかかわりを持てる場所だったと思っています。」
と話してくださいました。
③不登校に対するMさんの思い
Mさんに不登校に対しての思いをお聞きすると
「娘が不登校になる前は、学校に行くのが当たり前だと考えていました。
娘が不登校になった時にも、学校で普通に過ごしている子達を見ていて、羨ましいと感じる時もありました。
ですが、今は娘が笑顔で元気に過ごせればそれ以上のものはないと思っています。
娘の不登校を経て、親子の絆が強くなりました。」
と話してくださいました。
そしてMさんは現在、フリースクールでボランティアスタッフとして子供たちの支援をしています。
フリースクールに参加している理由についてお聞きすると
「娘が不登校になったとき、不眠症になってしまうほど悩んでいました。
自分が何とかしないといけないという思いで必死でした。
今の娘の元気な姿を見れることがとても嬉しいです。
その姿を見ていると、学校に行けなくて悩んでいる子やその親御さんに対しての支援をしたいと思うようになったんです。
学校では一言も話せない子がフリースクールでは元気に友達と話している。
そんな学校以外の居場所をつくってあげたい。
そのような思いからフリースクールが子供たちが元気に安心して過ごせる場所になるお手伝いをしています。」
と話してくださいました。
最後にーMさんのお話を聞いて
私自身、不登校を経験しているため、Mさんのお話を聞きながら自分の経験と重ね合わせて考えていました。
家で過ごす毎日は、親と口論になることも多かったです。
それでも、母は私に合った環境を探し、フリースクールに通うことを提案してくれました。
また、父は何も言わずに見守ってくれ、両親ともに私のことを常に気にかけてくれていたのだと思います。
当時を振り返ると、両親には多くの負担をかけたと感じますし、今も面倒をかけていると思います。
しかし親子で不登校を乗り越えて絆が深まったというMさんのお話にもあるように、不登校の経験により新しく生まれる信頼関係もあるはずだと私は思います。。
不登校になっていなければ、私も両親と今のような関係にはなっていないかもしれません。
そんな両親に対して感謝の気持ちを忘れず、楽しく元気に毎日を過ごすことが、私なりの恩返しだと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
改めてMさん、ご協力ありがとうございました。
不登校、フリースクールについてのご質問等ありましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
記事についてのご意見、ご感想などもお待ちしております。
これからもよろしくお願いします!
著者紹介
MASAYA
石川県野々市市を拠点として活動するフリースクール「BASE」のアルバイトスタッフ。小学校5年生のときに不登校になり引きこもりやうつ症状などを経験した。中学生のころにフリースクールを利用しながら社会復帰をした。通信制高校を卒業後、現在は大学で心理学を学んでおり教育の道を志している。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?