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「信頼できる繋がり」ー不登校体験記(6)

こんにちは、MASAYAです!

今回は、高校1年生の時に不登校になり引きこもりなどを経験して、現在は石川県内で働いている24歳男性のNさんにお話を伺いました。

この記事では、Nさんの「①不登校になったきっかけ」から「②苦悩の時期」、「③変化のきっかけ」についてまとめさせていただきました。

Nさん、ご協力ありがとうございました。

それでは、ぜひ最後までお読みください!

①Nさんが不登校になったきっかけ

Nさんが不登校になったのは高校1年生の時で、4月に入学してから2週間経って学校に通えなくなったそうです。

それから6月ごろまでは保健室登校をしていたNさんですが、学校自体が嫌になりその後は保健室に登校することもできなくなってしまいました。

Nさんは不登校になったきっかけについて、人間関係へのスタンスが課題だったと振り返ります。

「高校で馴染めなかったのは、中学生の時に人間関係で苦しんだことが原因だと思っています。

中学時代、友達と仲良くしているとしだいにその子の嫌な面ばかりが目に付くことがありました。

しかし、相手が悪いわけではないと我慢をして付き合っていましたが、どんどん友達が嫌になっていき自分自身がつらくなっていきました。

そうして過ごしているうちに『友達と一緒にいて苦しむくらいなら友達など必要ない』と考えるようになったんです。

高校でもそう考えたまま、友達はいらないと思って意図的につくらないようにしていました。

しかし、いざ1人で教室に座っていると孤独で居場所がないと感じ学校に居づらくなってしまいました。

しばらく保健室登校をしていましたが、あるとき久しぶりに教室に入ってみんなと授業を受けたときに、クラスの中でひとりでいることに耐えられずに学校に行けなくなりました。」

②Nさんの苦悩の時期

Nさんはその後半年間自宅に引きこもり、次の年の4月に通信制高校に転入することになります。

しかし通信制高校に転入しても、なかなか気の合う友人はできなかったそうです。

そして8月ごろまでは通信制高校に通えていましたが、精神的に落ち込んでしまい、高校に通うモチベーションが無くなったことで再び引きこもるようになります。

また、その時期に精神科を受診したところ双極性障害と診断されたそうです。

そんなNさんですが12月まで引きこもったのち、突然、1月から高卒認定をとるという目標を立てて勉強を始めます。

それからは勉強に集中するために単身赴任をしていたお父さんのいる富山県に移りました。

この変化の時期についてNさんは、

「富山で過ごしていたときは、生きる希望を探して迷走している時期だったと思います。

高卒認定をとって、大学受験をして教師になろうという目標を立てました。

この目標を立てたのも、生きる希望が欲しいと考えていたからでした。

しかし、目標を立てることが先行してしまった結果、自分の気持ちからずれた目標になっていました。

教師になりたいと無理やり思い込んで頑張っていましたが、長くは続きませんでした。」

と振り返ります。

しばらく勉強に打ちこんでいたNさんでしたが、無理に目標を追いかけることで精神的に追い込まれてしまい、同じ年の4月には石川県に戻って再び引きこもるようになります。

③Nさんの変化のきっかけ

Nさんは再び引きこもりはじめたことで、目標を追いかけることから解放され安堵感もあったそうですが、その反面、目標を持つことに対してトラウマ意識が生まれてしまったと語ります。

生きる希望が持てず行動することも怖くなってしまったまま1年以上が経過し、Nさんが19歳になった年の11月にNさんは就労支援施設に通い始めます。

そして就労支援施設に通い始めたことが、Nさんにとっての転機だったそうです。

この転機についてNさんは、

「石川県に戻って引きこもってから1年以上が経過したある日、就労支援施設の代表の方が家を訪問してきました。

初めは外に出たくない一心であまり話を聞くことができませんでしたが、1か月おきに訪問してきてくれて会っていました。

何度か会っているうちに「いつまでもこの生活を続けるわけにいかない」、「結局いつかは引きこもりはやめないといけない」と考えるようになっていました。

そうして何度も代表の方と話をして、就労支援施設に行くことに決めました。

そして就労支援施設には、私と同じように挫折を経験した人がいて安心できました。

久しぶりに一緒にいて居心地のいい気の合う友人もできて、通うことが楽しかったです。

就労支援施設に通うことで生活リズムを整えられて、長らく行けていなかった通信制高校にも行けるようになりました。

そうして2年ほど就労支援施設に通い、高校を卒業したのち就職活動をすることになります。

働くことは不安でしたが、スタッフの方と相談をして自分に合った業界を選び、お客さんと話す機会の少ない配送業関連の企業に就職しました。」

と振り返ります。

最後にーNさんのお話を聞いて

課題に向き合ううえで、不登校で悩んだ方の多くに共通することは、いかに精神的に安定した状態で自分の課題に向き合えるか、そして逆風が吹いたときにも、足元にある自分の大切なものに目を向けて踏ん張れるかどうかだと思います。

Nさんは、不登校の時も引きこもっていた時も、ずっと生きる希望を探していたと思います。

しかし、自分をないがしろにして目標を探したことで、自分自身を苦しめることになってしまいました。

そして就労支援施設に通い、中学時代から抱えていた人間関係の問題に良い兆しが見えたことで、精神的に安定できたのではないでしょうか。

毎日朝早くに起きて職場に向かうきつい生活にもNさんには信頼できる友人がいます。

Nさんに現在の人生に対する考え方を聞くと、

「今は、信頼できる人と繋がり持っていられることが希望だと思っています」

と話していただいた姿がとても印象的でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

あらためてNさん、今回はご協力ありがとうございました。

不登校についてのご質問等ありましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

記事についてのご意見、ご感想などもお待ちしております。

これからもよろしくお願いします!



著者紹介
MASAYA
石川県野々市市を拠点として活動するフリースクール「BASE」のアルバイトスタッフ。小学校5年生のときに不登校になり引きこもりやうつ症状などを経験した。中学生のころにフリースクールを利用しながら社会復帰をした。通信制高校を卒業後、現在は大学で心理学を学んでおり教育の道を志している。

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