罪と罰と休館日
刑罰というものがあるのは知っています。刑法というもので決めてるんだろうなということも何となく分かりますし、その辺の人が思い付きで適当に決めたわけでもないと推測もできます。現在の法律にも不備はあるのかもしれませんが、ちゃんとした人たちが長年にわたって築き上げたものであろうと思っています。だから、拾った10円玉をポケットにしまう罪と他人の家に火をつける罪は、下される刑罰に大きな差があるわけです。罰の重さに何らかの根拠がある。
神様がいるかどうかは確認できませんが、もしいたとして、しかも人間に罰を下すことができたとします。そうなると、いくら神様だからって適当に罰を下してばかりいたら地球は焼け野原の惑星と化してしまいますから、神様には神様なりの刑法があるはずなんです。もちろん、神様の価値観は人間と違うでしょうから、10円玉パクりと放火を同じ刑罰にしている可能性もありますが、何らかの決まりに則って人間に罰を与えているに違いない。
さて、話は急に変わりますけれども、自分としては普通にしているつもりなのに、他の人にはなかなか起きない妙な現象によく巻き込まれることってありませんか。私はあります。それは休館日の図書館に行ってしまうことです。
当然、主に月曜が休みなのは存じ上げています。月曜が祝日の場合は、次の平日ですね。さすがに、そういう日に図書館へは行きません。問題はそれ以外の休館日です。皆さんも近所にある図書館のカレンダーをご覧になっていただくと、なんかよく分からない木曜日が休みだったりしていると思います。そういう休日は書棚の整理だったりシステムのメンテナンスだったり、図書館にとって必要な作業に当てられています。そして、私はその手の休館日に限って図書館へ行ってしまう。
事前に休館日を調べればそんなことは起きないんです。面倒くさがって確認を怠る私が悪い。加えて、私は突発的に図書館へ行く時がしばしばあるんです。散歩の途中、近くの公園でオス鳩がメス鳩を執拗に追い回している様子を眺めているうちに「そうだ、図書館行くか」とか思い立ったりする。当然、今日が休館日かどうかなんて確認しない。そりゃ休館日にぶつかっても仕方がないと思われる方もいらっしゃるかと存じます。
でも、それにしては月曜以外の休館日を引き当てすぎるんです。少なくとも数か月に1回のペースでやらかしていますし、3回連続で休館日を引き当てたこともあります。どういうことなのでしょう。いくら考えても理由が分かりません。だから、私と最寄りの図書館の相性が悪いんだろうなどと冗談で思ったりしていました。
引っ越しをすれば当然、利用する図書館は変わります。私もまた同様でした。引っ越しをして、生活が落ち着いてくると、私は早速図書館に行きました。お察しの通り、ちゃんと月曜以外の休館日を引きました。あの図書館がよくてこの図書館が悪いとか、そういう問題ではないようです。私はそういう運命にあるんだと思います。
今の人生で酷い目ばかりに遭っていると、「前世で悪事を働いたからだ」みたいな冗談を言う場合がございます。神様が前世の罪を今世で償わせているんだとの理屈ですね。だとすると、私の「図書館に行ったら休館日だった」を繰り返す人生は、前世で何をしたらなるものなのでしょうか。神様に聞ける方がいたら、是非聞いておいていただきたいところです。いずれ、私が確認に参ります。よろしくお願いいたします。
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