平均的陰謀論
例えばクラスのテストみたいに、数字がたくさん集まる状況はそこそこあります。そのたくさんの数字をうまく表す便利なものとして「平均」がございます。よっぽど便利なのか、大人ばかりが受験する資格試験なんかでも、「平均点」は必ず出てくる指標となっています。
平均の優れた点はもちろん「分かりやすい」もありますけれども、何より計算しやすいところでございます。小学生でも計算できる。つまり、簡単で分かりやすい。便利の極みです。これはもう使うしかありません。こんなに便利ならば、数字がたくさん出てくるたびに平均を求めずにはいられない、生粋の平均マニアだって何人も出てきたはずです。
しかし、便利なものには代償がつきものです。便利ゆえの欠点が必ずある。平均もまた例外ではありません。実際、この手の学問をもっと突き詰めて勉強していくと、学問の方から「平均だけじゃ全体の状況を表してるとは言えないぜ」と現実を突きつけてくるんです。
平均のどこがまずいのか。例をあげて説明します。
学生が10人いたとして、みんなで同じテストを受けたとします。みんなが50点取れば平均は50点ですし、45点と55点が5人ずつでも平均は50点です。しかし、100点が5人、0点が5人でも平均は50点なんです。確かに計算するとそうなりますけれども、平均が50点なのに実際は50点付近に誰もいないという、よく分からない状態が出来上がるわけです。
もっと極端な話をしますと、9人の学生が0点で、残る1人が裏技を駆使して500点を取ったとします。それでも平均点は50点になるんです。平均と言うと、何となくみんなの真ん中あたりを示していると思いがちですが、そんなことない場合も余裕である。だから、平均には注意しなければいけないんです。
平均がよく使われるものの中に、平均寿命がございます。日本でも毎年発表され、そのたびに上がっただの下がっただの、いろんな人にいろいろ言われています。
日本では厚生労働省が頑張って計算しているようで、2023年の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳のようです。
しかし、この数値に私、違和感を覚えるんです。ネットをあれこれ見ていると、しばしば著名人の訃報が飛び込んできます。世界的に有名な方から知る人ぞ知る方まで、様々な訃報を目にしますけれども、その多くが平均寿命を下回ってる気がするんです。少なくとも私にはそう見える。
もちろん、たまたまかもしれません。もしくは、著名人は著名ゆえ、我々無名人には想像もできない重圧にされされ、それが寿命に影響している可能性もございます。ただ、私は別の理由を考えました。我々が知らないだけで、ひっそりと1500歳くらい生きてる人類がその辺にいるんじゃないかと。そして、厚生労働省がコッソリと計算に入れているのではないかと。
何だったら10万歳超えの、相撲が大好きな某悪魔の年齢もカウントされているかもしれません。
当然、10万歳がひとりいれば平均がグッと上がります。それに、考えてみてください。そもそも日本国籍を持つ悪魔が閣下しかいないと誰が言いきれますか。「聖飢魔Ⅱだと? あんなもんは鼻たれ小僧じゃよ」と笑う、悪魔の長老的存在が日本のどこかでのんびり暮らしているかもしれない。悪魔の長老なんて100万歳どころの騒ぎではないでしょう。
平均は私を陰謀論に目覚めさせます。しかも、誰も言っていない類の。
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