エロガッパを取り合う選挙戦
選挙は投票するものです。どうやら有権者らしい私も毎回しています。選挙は大事なものですから、法律などでいろいろ決まっています。投票用紙に名前を書く。この行為だけでも決まりごとが結構ございまして、守らないと無効票になってしまいます。
どういうものが無効票となるのか。公職選挙法の第36条でそれが定められていまして、ウィキペディアの「無効票」の項目にはその第36条をもとにどういうものが無効票となるのかを箇条書きにしてまとめてあります。実際に引用してみます。
そりゃそうだよなというものばかりですが、有権者は国内外に合計1億543万人くらいなんだそうです。軽く1億人越えですね。「投票率が50%切ったよ」と言ったところで5000万人いるんです。それを何度も何度もやっていれば、結果としてルールを定めた方々の死角を突くような投票をする者が当然ながら現れてくるようです。
例えば、ニックネームです。有名人が出馬すると、どうしてもニックネームを書いてしまう者が出てくるようなんです。そのためか、調べたところ、既に基準が決まっていました。
上記のサイトから一部引用します。
有名なら大丈夫なんですね。意外と融通が利いている印象です。そうなると、低確率ながら様々な出来事が起こりそうです。
例えば、同じ市に長らくライバル関係にあるふたりの議員がいたとします。性格が違えば政党も違う、しかしなぜか外見は似ていて特に髪型がそっくり。あと夜のお店が大好きなところも一緒。極めつけなのは選挙があるたびに似たような順位になるところで、そのため互いに「あいつには絶対に負けたくない」と睨み合う日々が続いていました。
そんなふたりの議員もキャリアを重ね、いよいよ国会議員の選挙へ出てみないかと声がかかるようになりました。もちろん、ふたりの議員は同じ選挙区です。ここでもライバル関係になりました。
選挙ともなりますと、時に候補者のあんな噂やこんな告発が出てきます。ふたりの議員も同時期にその餌食となりました。しかも、同じような大人のお店で同じように不埒なことをしていたという内容です。ライバル関係のふたりは互いに批判し合いました。「このエロガッパ」「なんだとエロガッパ」。公約そっちのけで互いの行為と髪型をいじってばかりでした。
選挙期間中の悪口合戦が影響してか、ふたりの議員はなかなか当確が出ません。やがて、ひとりが受かり、もうひとりが落ちるという結果になりました。票数差はわずか数十票。まさにギリギリの勝負でした。
しかし、戦いはこれで終わりませんでした。選挙期間中の悪口合戦を面白がった私のような有権者がたくさんいたせいで「エロガッパ」と書かれた投票表紙が大量に出てきたのです。その数は数百枚を下りません。当然、両エロガッパ陣営は動きました。「この『エロガッパ』はうちの票だ」「いや、『エロガッパ』と言えばうちの先生だ」。あれだけ散々悪口に使っていた「エロガッパ」を今度は必死になってかき集めようと奮起するようになりました。やがて、エロガッパの乱は選挙管理委員会を巻き込んだ騒ぎとなるわけです。
ここまで書いてようやく自分は何を書いているのかと思い直すことができました。ただし、おかしなことはおかしな人の脳内にだけ起こる現象ではございません。現実でも起きるんです。しかも、往々にして人の想像を軽く超えるようなやつが。
例えば、以下のページに「伝説の無効票」という面白い文章がありました。
一部引用しますとこんな感じです。
ちょっとしたウケ狙いで書いたであろう「ひっこしのさかい」と、1票で落選というギリギリアウトだった候補者がたまたまめぐり合った結果、珍事が起きてしまった格好です。わらにもすがる想いでワンチャン狙いたくなる気持ちがものすごく分かるだけに、余計に味わい深い珍事となりました。
こんなことが起きるならばエロガッパも実現可能範囲内でしょう。もしくは、エロガッパの乱を上回る何かが起きるかもしれない。もしくは私が知らないだけでもう起きているかもしれない。
世の中ってものは本当にいろんなことが起きますし、いろんなことを考える方がいらっしゃいますね。