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下半身に装着するものの破壊力
周りのものを吹き飛ばすほど、強力な印象というものがあるんです。
例えば、アメリカで現役の女性宇宙飛行士が暴行容疑で逮捕された事件がございました。女性宇宙飛行士のノワックさんは、不倫相手が浮気をしているのではないかと疑い、浮気相手とおぼしき女性を2ヶ月ほどストーキングしていた。そして、いよいよ犯行に及んだということだそうです。
現役宇宙飛行士の犯行は過去に例がなく、本国アメリカはもちろん、日本でも大きく報道されました。特に注目されたのは、ストーキング中にはいていたという、宇宙飛行士用のオムツでした。宇宙飛行士は任務の最中、トイレに行けない時がございます。ロケット発射中に「おしっこ行ってきます」は許されない。そこで、宇宙飛行士は専用のオムツをはき、任務を遂行することがあるようです。宇宙飛行士ともなればトイレに行けない時間が長いそうで、並のオムツなんぞ足元にも及ばない吸収量を誇っていると聞きました。何回分でも吸収してしまう。ノワックさんはそんな宇宙飛行士用オムツを悪用し、トイレの時間を惜しんでストーキングに勤しんでいたとのこと。
宇宙空間はちょっとのトラブルが命取りになる可能性がございます。何かあったところで、人類の大半は助けにいけない。もちろん、あらゆるトラブルを未然に防ぐなんて不可能ですが、思いつく限りのトラブルは予防しておくのが、現在の宇宙開発事業における基本的な考え方のようです。その上、宇宙飛行士は他のメンバーと協力して難解なミッションに挑むため、知識や身体はもちろん、人格もまた厳しくチェックされると聞きます。そんな宇宙飛行士が犯罪に手を占めたとなれば、間違いなく重大な事態です。選んだ人は責められるでしょうし、同僚や上司も責任を負わされるかもしれない。宇宙開発事業への信頼が揺らぐ可能性もあった。
でも、結果的にオムツが全部持って行ったように思います。私の周囲で事件を記憶している人も、全員が真っ先に「ああ、オムツのやつ」と言うんです。オムツの印象が強すぎたのでしょう。宇宙事業がどうとか、不倫がこうとか、そんなものよりもオムツが余裕で先にくる。
話は急に変わりますが、その昔、勝新太郎さんという役者がいました。昭和から平成にかけて数々の映画やドラマで活躍した大役者です。
しかし、同時に不祥事をチラホラ起こしている方でございました。中でもハワイの空港にて麻薬の所持で逮捕された際には、パンツにコカインを入れていたことが話題になりました。記者会見で「もうパンツをはかないようにする」などの発言がダメ押しとなってか、勝新太郎さんを知る方に代表作を尋ねると、「パンツにコカイン」と即座に答える方がそこそこいらっしゃいます。「パンツにコカイン」のインパクトが強すぎて、大役者としての功績が吹っ飛んでしまったかのようです。大役者でもダメなんだという絶望すら感じられます。
こうやって考えるとオムツとかパンツとか、下半身に装着するものの威力を思い知らされます。有名人はそういうものの扱いに気をつけないと、人生の代表作がそっち関係にすり替わってしまう危険性がある。
下半身装着グッズに人生を乗っ取られる可能性があるなんて。人間、ホイホイ有名になるものではありませんね。