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【第52回】B・B・キング/ライブ・アット・クック・カウンティー・ジェイル

「ライブ・アット・ザ・リーガル(以下「リーガル」)」「シンギン・ザ・ブルース」に続いて「B・B・キング」3枚目の感想文である。「シンギン・ザ・ブルース」のときにB・Bさんも例外なくアーバン・ブルースはあまり好みではないと言ったけれど、B・Bさんの名前に負けてしまい結局また買ってしまった。だって、この「ライブ・アット・クック・カウンティー・ジェイル(以下「クック・カウンティ」)」のジャケットのB・Bさんときたら、とてもいい顔しているんだもの。梅干しでも食べましたか?
このLPはB・Bさんのライブ盤では「リーガル」に次いで名高いものと思われる。名前の通り刑務所で行われたライブの模様を収録したもので、囚人達の慰労のために行われたライブということだ。B・Bさんの人の良さが伺えるとても良い企画だなと思う。こういうのって当時珍しかったんじゃないかな。
「リーガル」同様このLPもMCの語りからスタートするのだが、「クック・カウンティ」では歓声と共に若干のブーイングが聴こえてくる。さすが刑務所ということで雰囲気も違うのかもなぁと思っていたけれど、演奏が始まってしまえばいつものB・Bさん、囚人達にも話しかけまくりのとても楽しげな演奏で安心である。あ、いつものと書いたけれど、B・Bさんのライブ盤はこのLPの他には「リーガル」しか聴いてません。多分毎回こういう楽しげな雰囲気なんだろうなという私の勝手なイメージです。
ただ、ノリというか盛り上がりは「リーガル」のほうが断然上である。「クック・カウンティ」は「リーガル」に比べると、かなり落ち着いた演奏なのだ。なのでB・Bさんの迫力あるライブを味わいたいなら「リーガル」のほうが良いかもしれないね。ただ「クック・カウンティ」にはなんと言っても「スリル・イズ・ゴーン」が収録されている。帯にも書いてあるとおりグラミー賞を受賞している曲らしいのだが、これが超カッコよい。イントロのギターからボーカル、ギターソロまで曲名の通りスリリングでとても渋いのだ。この曲を聴けるだけでも「クック・カウンティ」を聴く価値はあると思っている。この曲のスタジオ録音のものも聴いてみたいなぁ(またB・BさんのLPを買ってしまいそう)。
あ、そういえば以前「ティーボーン・ウォーカー」を聴いて「これってジャズなんじゃないの?」と書かせていただいたことがある。最近になって聴き直してみたのだがなるほど、B・Bさんが影響を受けているという理由がなんとなく理解できた。エレキ・ギターのメロディをブルースに取り入れた人なんだね。「モダン・ブルース・ギターの父」というLP名も今ならなんとなく理解できる。アーバン・ブルースの先駆けみたいなことをやっていた人なのかなと。
そんなわけでB・Bさんのことも、ティーボーンさんのことも以前より興味を持って聴くようになった今日この頃である。

キング聴き
モダン・ブルースの
父(乳=ティーボイン)を知る

季語はブルース。

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