【第41回】リトル・ウォルター/ザ・ベスト・オブ・リトル・ウォルターVol.2
渋谷のレコファンというと学生時代にずいぶんお世話になった。学生のときはCDだったけれども、安い名盤を探してずいぶんパタパタとやったものだ。しばらく音楽を聴かなくなって足が遠のいたけれども、最近になって今度はレコード探しでまたお世話になった。
レコファンって雑多な感じでレコードが置かれていて、欲しいレコードを探すのが大変なんだけれども、それがなんか宝探しみたいで私は結構好きだった。「ドナルドフェイゲン」の「ナイト・フライ」を手に持っていたら、海外の人に「(スマホの翻訳機能で)それはどこで見つけたんだ?」と話しかけられて、一緒に探してあげたのは良い思い出だ(結局3枚くらい掘り出したのだ!)。
そんな渋谷のレコファンも閉店するということで(ずいぶん前の話になりますが。。)、最後の思い出になんかLPでも買うかと最終日にレコファンに出向き、購入したのがこの「ザ・ベスト・オブ・リトル・ウォルターVol.2」である。最後の思い出って割にはずいぶん聴きたいレベルの高いレコードが見つかって、「やるな!レコファン!」って感じで大満足である。
さて、「リトル・ウォルター」というと前回「ザ・ベスト・オブ・リトル・ウォルター(以下「Vol.1」)」を聴いた際に軽快なR&Bと迫力のあるハープ(アンプリファイド奏法)が魅力だと書かせていただいたが、この「Vol.2」でもそれは大きくは変わらない。「Vol.1」が楽しめればこちらも安定して楽しめる内容だろうと思う。こっちは2枚組なので若干気合を入れる必要があるけれど。
ちなみに「Vol.1」では初期の、「Vol.2」では中期から後期の選曲となっているのでかぶり曲はなし。というわけでやはり「Vol.1」を聴いたら「Vol.2」も聴きたくなるのが人情である。
それからこのLPのD面(2枚目のB面ってことですね)の最後の3曲はレコーディング風景が収録されている。「オゥ、シッッットゥッ!!」などとリトル氏の激昂している声が収録されていてなかなか面白い。リトル氏って喧嘩上等な破天荒な人だったということなので、そういった一面が垣間見えるという意味では貴重な収録だ。
ただ正直に言わせていただくと、私からするとそんなものは1曲もあれば十分である。何度もやり直して無駄に長くなってしまっているし、そのぶん違う曲を収録してくれたほうがありがたいのになんて考えてしまう。貧乏性なのかしら。
ちなみにこのD面の1曲目の「アイ・ドント・プレイ」、2曲目の「アズ・ロング・アズ・アイ・ハブ・ユー」の2曲なのだが、ほかのリトル氏の曲に比べて急に渋くなってこれがまたとてもカッコよい。そういった意味でも「D面は聴きたいんだよ〜」というジレンマに陥るのである。
最後にどうでも良い愚痴を書いてしまったが、全体的にはリトル氏の魅力(激昂したリトル氏も含め)がたくさん詰まったLPである。そして愚痴と言ってしまったが、これは良い意味の愚痴なんです。私はレコファンとの思い出も含めて大事にしているLPですのでリトルさん、どうか私を殴りにくるのはやめてください。
レコファンで
最後にブルース
刈り取るし(リトル氏)
季語はブルース。