理想と自己嫌悪、星空に。
またこれだ。
自分の見つめた理想の道から外れる。
ハシゴを落とされる。
それは、私の惰弱で。
それは、私の価値の喪失で。
それは、私に対する裏切りになる。
理想が、掲げた自らを正当化させるための理想が。
砕け散る。
自らの弱さで。
だから、いつも思う。
そんなことになるのなら、何もしなければいいのだと。
つまらぬ世界に。
それでもなお、アイデンティティを成り立たせる。
そのための理想だった。自分のためだった。
だが、それすら私を蝕む害になる。
では、何のための理想なのか。
理想が砕け、次には自己を嫌悪する。
私が弱いせいで、強くないせいで、才能がないせいで。
私よ、ごめんよ。
あなたの理想を叶えてあげられない自分で。
そして、こんなことで足止まり悩んでしまう人間で。
午前0時。
全てに嫌気がさして。
ふと、ベランダに行って空を見たかった。
うるさい、喧騒の町。
そんな世界の上には、暗い空に輝く星々があった。
小学生の頃に見た、大三角だった。
煌々と輝く星、赤く主張する星、名もなき星。
街の光で、空は少し明るく浸食されている。
でも、その星は明るく、気高い。
それが、まるで。
私を包み込むかのように。
まるで、励ましているように見えた。
その星に、寄りかかって。
私の気持ちを全て、一旦受け持ってもらうような。
そんな感覚。
星を見るときだけは。
私の中には、自然の雄大さと規模に、思いを馳せて。
私の好奇心だけが、心を支配して。
まるで、子供ような感覚になる。許される。
問題は解決してくれない星だが、
その振る舞いすら、星の寛容さを示しているような気がする。
私は私、星はそれを見届けて、自らを輝かせる。