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平凡な日々(PERFECT DAYS)


「初めて日記って知ってる?」

休日の早朝、電話で起こされたと思えば何かの話の流れで(寝起きで記憶が曖昧)初めて日記とやらの存在を教えられた。

電話の相手曰く、毎日初めて経験したことをただ記録していく日記らしい。

(いつも話すことの8割がその瞬間のテキトーな思いつきのような人だから今回もその可能性はある)



「毎日バイトに行くか寝てるかの生活だから私が初めて日記をつけてもほとんど白紙になりそうだなあ」と返してその話題は終わり、電話を切ったあとになってかわいげのなさを反省。


せっかく早い時間に起きたし、二度寝せずに支度をして、映画館に行った。
主演の役所広司が最優秀男優賞を受賞したとかなんとかで話題になっていたPERFECT DAYSを見た。

東京でトイレの清掃員をしている無口な独身一人暮らしおじさん(ヒラヤマ)の生活を2時間見るだけの映画だった。超~~~良かった。

ヒラヤマは朝起きてから夜眠りにつくまで、何年も続けているのであろうルーティン化された毎日を送っているのだけれど、その中から小さな喜びや楽しみを見つけて、一日一日を新しい日として生きている。そんなおじさんだった。


古いアパートに住んで都内の公衆トイレの清掃をして、毎日同じ食事をして本を読んで眠る。ヒラヤマの生活は今の私が手に入れたい生活ではないし、ほとんどの人にとって羨ましいものではないと思う。それでもそんな毎日の一瞬一瞬に目を向けて、仕事に全力を尽くし好きなものを楽しむヒラヤマの日々はどう見てもperfect daysだった。まさしく映画のポスターのど真ん中に書いてあったように、"こんなふうに生きていけたなら"と純粋に思った。


ヒラヤマに"初めて日記"を書かせたら毎日3つくらいは書いてそう。就活を全く真面目にやらなかった自分のおかげ様で4月からの生活に不安を抱えているこの時期にこの映画を見ることが出来てよかった。苦しくても小さな幸せに目を向けることは大切にしていきたいな。



にしても本当に映画とか小説とかはいつだって自分にとってタイムリーだよね。自分から重なりを見つけにいってるとはいえ。(『お探し物は図書室まで』小町さんの受け売り)

ヒラヤマのどうしようもない後輩タカシは、狙ってる女の子が初めてカセットテープで音楽を聴いて「こんな感じ初めて、気に入った」的なことを言った時、「初めてっていいよね〜!」ってでっかい声で言ってて、今朝の私はこのどうしようもない男以下なのかってわりと落ち込んだ。(その後のシーンでタカシもタカシで憎めない良いヤツではあった)


あとシンプルに映像と音楽が超良かったな。見終わってすぐプレイリスト作ったもんね。聖地巡礼とかもしちゃいたい。







予定がつめつめだったのと書くのが遅いのとで見てからわりと日数が経ってしまった。

2月4日   7年目になる親友と初めて長電話した。




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