見出し画像

40年目の反省リスト(5)1988年

2ヵ月ぶりに再開。先に言っとくと、今回は有料ゾーンあります。

【1988年の主な新規マンガ仕事】
東京中日スポーツ(中日新聞東京本社)
まんがタイムジャンボ(芳文社)
まんが笑ルーム(少年画報社)
まんが大吉(大陸書房)
まんがハウス(一水社)
コミックコンプ(角川メディアオフィス)ほか

前年にペンネーム表記を「なかむら治彦」に変更し、2つの出版社の漫画賞で奨励賞をもらって、さてどこにターゲットを絞るか?という局面で、4コマ雑誌を主戦場に選ぶ決心をした。
人によっては「もったいない」と思う人もいたかもしれないけど、当時の自分としては4コマ雑誌の世界をリサーチした上の決断で、最善の道を選んだ気にはなっていた。
そのリサーチした門外不出の記録は、このあと有料ゾーンにて公開する。

さて、4コマ雑誌中心の活動に舵を切ったからには、とりあえず全出版社の4コマ誌を回っておこうと思って、今まで訪れた経験の無かった会社にもすべて足を運んだのが1988年。
9月に東京中日スポーツで「ドラ一発!!」という週7日掲載(ただしボツは相変わらずある)の4コマ連載がスタートして、野球4コマという看板が固定できたこともあって、自由に戦略をたてつつ動き回れたのも幸いした。

前年1987年から始まった4コマ雑誌出版社とのお付き合いは、このあと1993~94年頃をピークに、10年程度続いた。期間としては短いが、漫画家生活の中では一番充実した時期だったと思う。その当時の恩恵から、今も肩書きを「漫画家」でなく「4コマ漫画家」にしている、というのもある。

この当時、自分が4コマの仕事をした出版社の思い出……

☆芳文社(まんがスポーツ、まんがタイムジャンボ、他)
水道橋駅を出てすぐに見える、建物に書かれた「漫画の殿堂」の文字が懐かしい。殿堂ですよ。「まんがスポーツ」は私が上京した1985年創刊で、ラジオのナイターにスポットCMまで流してて、一時期スポーツ4コマ誌が数社競合するほど話題になった。王道のファミリー4コマでは「まんがタイムジャンボ」に休刊号までお世話になった。あ、「まんスポ」もそうだけど。
☆少年画報社(まんが笑ルーム、まんが笑トピア)
同じ水道橋駅至近ながら線路の逆側、朝ドラ「ゲゲゲの女房」に出てくる老舗出版社のような昔ながらの佇まい。最初に足を運んだ時、社内の壁に春闘のポスターが貼り巡らされてたのが強烈な印象で、毎回必要以上に緊張して編集部へ原稿を届けた記憶が。
☆壱番館書房(まんが笑アップ、他)
のちに廣済堂出版と改名。4コマ雑誌といってもファミリー色は薄く、当時の竹書房の「まんがくらぶ」系。好き勝手に描きたいものを描かせてくださった有難い雑誌。ヘッダーの殿様キャラはその頃の連載で、個人的に思い入れが強く、2010年の単行本「落語まんが寄席」で再登場させたほど。
☆双葉社(かりあげクン)
のちに「まんがランド」から「まんがタウン」。ただ奨励賞を頂いた後よそへ行ってしまったため、気が引けてしばらく足が遠のいてしまった。
☆大陸書房(まんが大吉、まんがサロン)
昭和末期~平成初期にコンビニのビデオソフトなんかのジャンルで注目された会社。倒産に伴い1990年春休刊。「まんが大吉」では生涯唯一、連載開始時に表紙へ名前を載せていただいたが、「むかむら治彦」と誤植だった。
☆一水社(まんがハウス)
この連載の1回目でも書いた、もう一つの「まんがハウス」。会社は新橋だったかな。3年ほど通った割に思い出があんまり無い。1991年末休刊。
☆角川メディアオフィス(コミックコンプ)
ここで場違いにSFファンタジーコミック誌が出てきたのは、上の大陸書房の担当さんだった方が倒産前後に角川書店に移籍されたため。その直後、会社の分裂騒動が起きた。そんなSFコミック誌で、これまた場違いに「飛び出せ!新人くん」という漫画賞告知ページの4コマを好き勝手に描かせてもらっていた。多めにラフを提出してたため、「ストック用原稿にしたいから」と担当さんのご厚意で告知とは別に何ページか納入していたら、まあまあの確率で毎月掲載された。当時の「コンプ」読者の皆さん、毎回誌面と全然カラーの違うヘタッピな4コマが載っていたのは、実はそーゆーわけです。
その後、ほぼ全面的に描き直したのが、現在noteにも掲載してる「まんがじゃ道」なのだけど、ここでは関係ない。

(なお竹書房、実業之日本社、ぶんか社、他数社の4コマ出版社は、この年まだ登場しません)

4コマ以外では、月刊OUT(みのり書房)の連載をキッカケにライター集団「スタジオHEGE」を立ち上げたのがこの年だった。そちらの積もる話はまた別の機会に。
(第5回・了)

ここから先は

938字 / 8画像

¥ 300

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?