奇祭小指千本狩り
絶壁の頂、樹海の奥地、絶海の孤島、およそ文明の及ばぬような土地にも人は集まり営みを紡いでいく
大自然の持つ人間の力では決して抗えない絶対的な力への畏怖、崇拝、羨望それはやがて様々な文化風習となり、そもそも一体何に対して祈り畏れを抱いていたのか忘れ去られし後も確かに其処にあり続けるのである
オワリズ村奇祭「小指千本狩り」
毎年春が過ぎ連日雨が降り続ける頃になると其の村のもの達は一斉に紙や木片へ小指の型を千本になるまで集めたのち、猪の肝、ぬかと山椒、村で一番深い井戸の底の泥を混ぜ合わせ真っ黒になるまで煮詰め、村の奥地にある一本杉を天辺まで完全に真っ黒になるまで塗り固め一年の小指の無事を祈願するという
それは地面から突如として突き出るささくれだった黒い小指のようであった。。。
参照:作者不明 概説オワリズ村風俗史より抜粋
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