2021年、活動報告
相談が多い年でした
2021年の特筆すべき点は患者さん・ご家族からの相談が多かったということ。
なんと1年間で1016件!
これは365日で割ると2.7件ですが、1件あたり1時間2時間かかることも当たり前なことを考えるとキャパシティの限界までがんばったなぁという感じです(一番長い人は5時間近くzoomでお話しされました)。
しっかり2020年と比較をしているわけではないのですが、今年はなかなか人に会えない・話せないことによりしんどくなってしまい、患者会と話をしたいと思われる方も多かったような気がします。
いざzoomや電話でお話をしてみると卵巣がんについて悩まれているのではなく、ただ日常のこと、お気持ちを聞いてほしいというものも多く戸惑うこともありました。
卵巣がんの患者会ですから、卵巣がんに関することはできる限り対応させていただこうとおもっているのですが、それ以外のことは難しいです。
秋頃には「卵巣がんに関する相談をお願いします」とお願いをすることになってしまいました。
トータルの相談件数は8204件になりました。例年の倍近い対応をしていたこと、わかってもらえると思います。
2021年主な活動
スマイリーのホームページを完全リニューアルしました。
インターネットで情報検索をするときに、
いつ更新されたか
誰が情報を提供しているか
その情報の根拠(引用元や参照元)を提示しているか
はとても大切です。
スマイリーでもそうしたことがきちんとわかるようにホームページを作り直しました。
>>卵巣がん体験者の会スマイリーのホームページはこちら
世界卵巣がんデー
5月8日には世界卵巣がんデーを開催しました。
日本の取り組みとして「卵巣がんフォーラムインジャパン」を開催。
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 西川忠暁先生
埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科 藤原恵一先生
日本医大武蔵小杉病院 腫瘍内科 勝俣範之先生
に、卵巣がん初回治療、維持化学療法、再発治療について学びました。
患者さんの同行再開
新型コロナの感染者数が少し落ち着き始めてから、患者さんの希望に応じて病院への同行を再開しました。
数件ではありますが、東京・埼玉・千葉・栃木・茨城・群馬まで足を運び、患者さんの診察やセカンドオピニオンに同行しました。
オンラインおしゃべり会
年に数回ですがオンラインおしゃべり会を行いました。
今年は、卵巣がん患者さんやご家族が誰でも参加できる会と再発患者さんとその家族限定の会と分けさせていただきました。
なかにはどちらにも参加する患者さんやご家族もおられました。
オンラインおしゃべり会のいいところは、どこに住んでいても参加できる!ということで北海道や九州の患者さん、なかには海外から参加される方もおられました。
学術集会参加など
日本臨床腫瘍学会、日本婦人科腫瘍学会(冬・夏)、日本緩和医療学会、IGCS、IGCSアドボカシーサミット、世界卵巣がん連合チャーターサミット(年数回)などに参加してさまざまな情報を学びました。
世界卵巣がん連合チャーターサミットのファミリーヒストリーの回では日本の遺伝子変異を有する患者さんの権利擁護について発表させていただきました。
また北関東婦人科がん臨床試験コンソーシアムでの倫理審査委員会、日本医療安全学会のインフォームドコンセント部会でのお仕事をしました。
YouTube出演
卵巣がんサバイバーさくらchのライブに何度か参加させていただきました。
さくらさんとのライブは本当に楽しく、気づけば4時間越え(日にちをまたぐ)の放送などもあり、楽しい時間を過ごさせていただきました。
スマイリーでもYouTubeチャンネルはもっているものの、なかなか自分でやろうというのは難しいのでライブに招いていただけるのはありがたいです。
講義・その他
今年も医学生向け、CRCの研修、倫理委員会の研修、産婦人科の研修など多くの場でお話しさせていただく機会をいただきました。
2008年から書かせていただいているクリニカルリサーチプロフェッショナルの連載も13年目に入りました。こちらは書籍化のお話もいただいているのですが、内容が、そのときそのときの医療の問題を患者がどう受け止めるかといった時事的なお話や、患者さんが直面する問題をどう解決するかというお話であり、もう解決してしまっている事項や、すでに天国に旅立たれた患者さんに取材した話も多く許可も取れないため難しいだろうなぁと思っています。
さいごに
今年も多くの仲間が天国に旅立たれました。
なかなかリアルでお会いすることがここのところ難しく画面越しではありましたが、おひとりおひとりと語り合った時間を思い出すと、もう会えない寂しさと、出会えたこと、語り合えたことへの感謝と・・・さまざまな感情が湧いてきます。
1995年に卵巣がんと診断された患者さんと、2010年に卵巣がんと診断された患者さんと比較した調査では、地球上で日本だけが5年生存率を20%以上向上させています。
私が卵巣がんに罹患した2004年のガイドラインでは年間およそ6000人が罹患し、年間およそ4000人が亡くなると記載されています。近年は13000人ほどの診断数で4700人ほどの死亡者数となっています。
まだまだ多くの方が亡くなる厳しいがんであることには変わりありません。
だからこそ、これからもおひとりおひとりと丁寧に向き合い、卵巣がんと診断されても患者さんが納得して意思決定ができる・最善の治療が受けられるよう支援できたらと考えています。
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