見出し画像

『夕映え天使』を読んで

妹からの推薦で、浅田次郎さんの短編集、『夕映え天使』を読んだ。
6本の短編が入っており、サクサクと読み進めることができた。


一本目はタイトル通り『夕映え天使』

中年の男性とその父親が経営する店に、ある日突然住み込みで働かせてほしいと女性がやってくる。彼女は精力的に働き、店の看板娘となるも、結婚を申し込むとその時には「ありがとうございます」と言いながらも翌日姿を消してしまった。
1年間が過ぎ、彼女が自殺したという連絡が入る。自殺をした際、彼女の身分を示すものは携帯しておらず、男性の店のマッチがポケットに入っていたことから、店に連絡が入った。同じような境遇の男性がもう1人おり、互いに深くは話さないものの、似た境遇であることを悟り、彼女の死を受け入れた、という話である。

本を読んで、なぜ彼女が自殺をしたのか、読み切ることができなかった。結婚を申し込まれた後でそれにYES と答えられなかったことに負い目を感じたのか、結婚により人と一緒になることに煩わしさを感じたのか、逆に結婚を申し込まなければ働き続けたのか、、、

しかし名前も偽名を使い、自殺時の遺品からも上記以外は何も残されていなかったことから、親や兄妹など、心を開ける家族や友達がいなかったことも想像できる。住み込みで働かせてほしい、と頼んできたことからも、家や貯蓄もなく、1日1日を必死に生きてきたことかもしれないことが読み取れる。

男たちは彼女の生活ぶりや働き方から彼女に惹かれ、いわゆる恋愛結婚とは言わないかもしれないが、それが彼女にとっては同情された、と思ってしまい自殺したのだろうか、、、

とりあえず今回はここで終わる。

以上、第1回目の本を読んでの感想。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?