【散文詩】紆余曲折の三叉路で

流れに棹さす夕暮れの向かう先

待ちあわせででくわすひやかしに

離した手を繋ぎ直した

うちわとソーダ水が永遠を別つ

思い出と忘却の餌場は不安の種を売っている

瞳に映る瞳を凝視する合わせ瞳が切り替わる

理由がいる僕と不要という君の不協和の仲裁役がなあごなあごと鳴いている

名前も声も死屍累々の記憶墓場は刎頸の牡丹

異形の相貌が合わせ鏡に消えてしまう

簀巻きにされ海底で喰われる海馬が奪う現存在はふたりだった