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若者よ、迷うな。読書に沼れ。仲間を増やそうぜって話をしたかったはず

うつになったなぁ、どうしよう。
やることがないなぁ、どうしよう。

なあ、本を読まないか?

僕はそう言いたい気持ちを抑えて、そっと図書館に足を踏み入れた。
図書館の中には、思ったよりも人がいて驚く事ばかりだ。
新刊コーナーは充実していないけど、古い本は面白いほど溢れている。

僕が学生時代の時は、海外文芸を好んで読んでいたが、最近はどうだろう。
一周回って、再びファンタジー世界に戻ってきたかもしれない。
ファンタジー作品っていいよね。

表現も豊かだし、世界観も広いし自由度が高い。
何より、「魔法があればOK」という雑な感じが僕は大好きだ。
日本のファンタジーって、タイムリープ的なモノを含めてたくさんあるけど。外国での評価を見ていると、「ハリーポッター」が分かりやすい。

あんな感じの世界観のものが、ファンタジー。
それ以外は、なんか少し違うアプローチというくくりだ。
一見すると日本の方が広くていい様に見えて、実は違う。

複雑に入り組んでいるというだけで、様々な要素が薄く絡まるだけで。
ファンタジーという部類で見ると、僕は「明確な魔法があればOK」という、海外の世界観の方が自由に作りこめて大好きだ。

タイムリープ系の作品も個人的には好きだが、そこまで行くとSFに頼りたい。僕はSFも好きで好んで読んでいるが、日本のSF作品でしっかりとしていたのは、鉄腕アトムなどの過去作品が多いように見える。
最近の新刊を正しく漁っていないだけなんだけど、どうなんだろう。

最近の書店は、訪れてもちっともワクワクしないので、面白くない。
小説についても、心躍る作品は減ってしまった。
これが、年齢の増加か?と思ったけど、どう考えても違う。

ふと、ラインナップを確認してみたけど、やっぱりそうなんだ。
図書館でもそう、「金」についての本ばかり。あとは「プログラム」ね。
それと、小説系で多いのが「読みやすいラノベ」だろうか。

最近出版された分厚い本で引かれたのは「ここでから揚げ弁当を食べないでください」だろうか。この本は個人的に良い本だったけど、僕の周りでこの本を読んだことがあるという人は、極端に少なくて、なんとも言えない。

残りは順当に、「悪い夏」とか、「月下の桜」なんかも面白かったと思う。でも、これらは「最新刊」というには、ちょっと微妙だよね。最新刊って言われると、判断に困ってしまう。

兎にも角にも、こんな本を図書館でバーッと読み漁って、その世界を満喫した。ミステリー作品は少しだけ頭をひねるけど、あえて推理しないで読むというのも楽しい。

後半で、「あ、そうなんだぁ。へぇ~」という軽いノリで堪能できるのが、最高に面白い。伏線あてゲームもいいけど、もっぱら雑読みが増えたように思う。

これは、心の卑しさなんだろうか。

個人的に、今日読んだ小説の中で最優秀賞を与えたいのはこの作品だ。
「兵士は戦場で何を見たのか」という、ノンフィクションの小説。これまた海外文芸になってしまうのだが、この物語の壮絶さを前にしては、そんなこと心の底からどうでもいい。

絶対に映画化なんてできっこない、作ったら泣き出すだけでは収まらない世界の影。それを、見事なまでにリアルに描写していて、「死にたい」とか「生きるのが大変だ」とか、そんなことを思う自分が恥ずかしい。

本気で生きるって、本気で戦うって。
一体どういうことなんだろう。そう思った人は、まじめに読んだ方が、自分の向こう三か月の人生を幸せにできるだろう。

もう、この平和な日本で「死にたい」と心から渇望することはない。

とはいえ、僕だってふとした瞬間に死にたいとか、泣きたいとか思うけどね。でも、価値観を変える一冊というのは絶対に、一冊ではないんだ。

要は、印象深く残っているだけで、そこに後付けで理由を乗せているだけ。
積み重なった自分の歴史が少しだけ傾き始めて、積み重なった軌跡が1/2を超える配分で積み重なった瞬間に、偶然立ち会った一冊。

それが、価値観を変えた一冊。

そう思うと、なんだか急に味気ないように見えてしまう。
今日の印象深かった一冊「兵士は戦場で何を見たのか」も、そのうち僕の中で風化して消えていくのだろうか。

それはなんだか、とっても寂しいなと思う。

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レン_歩くエッセイスト
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