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書き続ける意味。

彼女は鉛筆を削っていた。

僕の隣の席で。

カッターナイフで彼女は鉛筆を削っている。

彼女は悲しいのか、悔しいのか、目を真っ赤にして、鬼気として鉛筆を削る。

僕は彼女を見ながら、ソワソワしていた。

担任の教師に彼女がカッターナイフを持っている事を知られないかと。

カッターナイフは、学校に持っていたら危険人物と教師は彼女をカテゴライズするだろう。

彼女は机の下で、俯きながら鉛筆を削る。

彼女の鉛筆は、鉛筆の芯がどんどん剥き出しになっていく。

鉛筆の黒光りした芯は、鈍い光を放っている。

教師が彼女の鉛筆削りに気付かず、教科書を音読しながら、近づいて来た。

彼女のついそこ迄、近づいている。

「おい、そこ!下向いて何やってる!」

教師は彼女の席の前に立った。

「わーーー!」

僕は叫んで立ち上がった。

僕の座る椅子は、ガタンと後ろに倒れた。

彼女はカッターナイフの刃を引っ込めた。

そして教師の顔に向かって、削った鉛筆を突き立てた。

「な、何だ。その鉛筆は・・」

教師と彼女は対峙して睨み合った。

僕は二人の間に立ち上がったが、彼女の目にも、教師の目にも映っていなかった。

彼女は、鉛筆の長く伸びた芯をパキンと折ると、教室を駆け出し出て行った。

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