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弱いつながりの強さ

初期のSTUDIO

2024年8月31日、トレーナーを務めていたデジタルハリウッドSTUDIO山口が閉校しました。

スタッフおよびトレーナーの皆さま、お疲れさまでした

2018年7月から6年、数百名の学習をサポートさせていただきました。

ちょうどコロナ禍と重なったこともあり、多くの方の人生の転機に立ち会うことができて嬉しく思います。

このような貴重な経験ができたのは、ひとえに私をトレーナーに推薦してくださった方のおかげです。ありがとうございます。

今回は、デジハリ山口のトレーナーがどのように選出されていったか、裏話をこっそり書いてみます。

過去のつながりからのお誘い

私に声が掛かった時点で、二名のトレーナーが確定していました。

一人は、とある団体に所属されている方で、わたしたちが運営するファブラボへ視察に来てくださったことがありました。

もう一人の方は、2010年~2012年あたりにやっていた、同業者の勉強会の初期メンバーでした。

お二人ともすごく親しい間柄ではありませんでしたが、私のことを思い出してくださり、立ち上げを担当されているディレクターへと繋いでくださいました。

そのディレクターとは市民活動の懇親会などでお会いしたことがあり、私のことを認識してくださっていました。

面識はあったので話はスムーズに進み、デジハリ山口の立ち上げ時のトレーナーというやりがいのある仕事を引き受けることになりました。

共通の知人を介しての出会い

その後、トレーナーは五名まで増えましたが、いずれも男性でした。

女性トレーナーも居たほうが良いよねということで、弊社のエンジニアが加わることになりました。

あともう一人誰か…というときに、以前仕事をお願いしていたWebデザイナーに相談しました。

「誰か知らない?」と訊いてみたところ、面識はないがX(旧Twitter)でフォローしている人が居ると教えてくださいました。

SNSで調べてみると共通の知人が居ることが判ったので、その方にお繋ぎいただいて、主婦ママ現役Webデザイナーとして加わっていただくことになりました。

このように、緩やかなつながりを通して七名のトレーナーが決まりました。

「弱いつながりの強さ」理論

新しい仕事はたいてい人のつながりから生まれます。

特に新規性の高い案件は、普段あまり接する機会が多くない人たちの元からやってくるものです。

スタンフォード大学の社会学者マーク・グラノベッターが1973年に発表した「弱いつながりの強さ」理論によると、社会的つながりが弱い人のほうが、有益で新規性の高い情報をもたらしてくれる可能性が高いそうです。

つながりが弱い人とは、家族や同僚のように同じコミュニティに属する人たちではなく、普段は接点が少ない異なるコミュニティに属している人たちのことです。

自分とのつながりが弱い相手は、自分と異なる環境、生活スタイル、価値観を持っているため、自分が知り得ないような情報をもたらしてくれる可能性が高いのです。

弱いつながりは、強いつながり同士をつなぐブリッジという役目を果たし、価値がある情報が広く伝わっていく上で重要な役割を果たします。

意識的に新しい人と知り合う機会をつくり、弱いつながりを増やしていくことによって、自分のもとに有益で新規性の高い情報が舞い込んでくる可能性を高めることができます。

また一緒になにかやりましょう

とはいえ、我田引水マインドで弱いつながりを増やしても、効果は見込めないという側面もあります。

例えば異業種交流会などで名刺をばらまいたとしても、多くの場合は何の実りもありません。なぜなら、相手も同じようなマインドで名刺をばらまきに来ているからです。

経験から言えるのは、勉強会や市民活動や懇親会などの非営利的活動で知り会った人たちのほうが、後に良い関係性に発展します。

ビジネスを抜きにして、お互いの素性を知ることができるからでしょうか。

6年間一緒にデジハリを作ってきた皆さんとは、強くつながった期間を終えて、徐々につながりが弱くなっていくことでしょう。

そしてまた、有益で新規性の高い情報をもたらせる関係性に戻るのです。

またなにかでご一緒できる日を楽しみにしています。

では。

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