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ダイバーシティをスローガンで終わらせないために(2)関わるひとの多様性

ダイバーシティに関わっている人に読んでほしい記事の2本目です。この記事ではわたしが関わっている近畿作業療法学会を紹介しながら、みなさんの企画に活用いただければと思います。

ゲストの多様性

イベントの登壇者やゲストの男女比率に偏りがあることが指摘されるようになりましたが、そのムーブメントを加速しているのがビジネスリーダーの声ですね。APUの出口治明さんも、女性登壇者がいない場所には出ないとおっしゃっています。ほかにもこんな記事がありましたね

わたしも毎回確認しています。登壇者の男女比率、年齢層、活動領域など。呼んでいただいたことへの貢献は、その時にお話しすることだけではないと思っているので、できる限り質問するようにしています。

偏りに気づき、構成を変更する場合。意思決定者が鍵を握ります。意思決定の軸が従来どおりでは、登壇者やゲストは変わりません。

変える意思と判断軸が必要です。意思決定者のダイバーシティ理解が不可欠です。これをトップコミットメントといいます。

近畿作業療法学会では、学会長(女性)が登壇者、発表者の多様性を重んじています。男女比率、専門分野、年齢、地域など多様性ある方々です。

参加者の多様性

イベントには主たる対象者が設定されています。目的に合った対象者ですね。商品の宣伝であれば購買層です。それがマーケティングです。しかし、この方法は対象者層を競争して奪い合うため、限界があります。イベント参加者の多様性を広げることは、異なる対象者層を取り込むことにも繋がります。気づかなかった視点も見つかります。

多様性を上げるための方法は、新しい対象者に対して積極的に働きかけることです。これをポジティブアクションといいます。

近畿作業療法学会では、参加者の多様性を重んじています。近畿以外からの参加が可能になるオンライン開催です。異なる業界からの参加を促すため、作業療法士以外は参加費が1,000円に設定されています。

スタッフの多様性

ダイバーシティを叫ぶグループにダイバーシティが欠如している問題あるあるです。多様性あるメンバーだからこそ新しい価値が発揮できる!とか言いながら、同質性の高いメンバーだけで運営しているという話は、自分の経験も含めて非常に多いことです。

わたしが関わる段階では、ほとんどのケースでスタッフが決定していますので、それを変更することは難しいです。また、チャンスがあっても、人選が難しいと言われることがあります。「条件に合う人を選んだだけ」しかし、ここにこそダイバーシティの課題が眠っています。例えば登壇に資する経験ある人を選んだら年配男性だけになった、という場合。若者や女性から選ぼうとしたか、過去の経験だけを見ているのではないか、この2点を反省するだけでも意味があるのですが、「次回人選の参考にします」では足りません。なぜ今回変えられないのか、ここが重要です。

同質性は数字にすれば一目瞭然です。少数派を3割にすることから始めます。黄金の3割が、ダイバーシティの鉄則です。

近畿作業療法学会では、スタッフの多様性を重んじています。リーダーは若い人、サブリーダーがベテランという構成です。偏っていた部分はわたしたちのチームが加わることでよいバランスになっています。

ダイバーシティをプロデュースするのがアワシャーレの仕事です。講演業ではなく、実務家です。いいねをもらうインフルエンサーではなく、一緒に汗をかくプレイヤーです。

あなたも多様性の因子!

かかわる人材の多様性を見に来ませんか?ダイバーシティはイノベーションの源泉、と事例を知るのもいいですが、実際にダイバーシティあるメンバーのつくる場に参画してください。自分も多様性の因子であると気づきます。


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コジミ
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