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男性脳と女性脳を無料診断。カルフォルニア大学が行った68万人の実験データから作成したツールを公開。

ハイライト
・68万人の研究データから作成した判定ツールを無料公開
・IQが高いヒトには男性が多いが、バカも多いという事実
・男性脳と女性脳。生きやすいのはバランスタイプ?

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■男性と女性、どっちが頭がイイの?

男性脳と女性脳について考えると、必ず話題に上がってくるのがこのギモン。「どっちが頭いいのか?」です。これに結論を出すために最も理解しやすい分布があるので、まずはそれを確認してみましょう。

男性と女性の知性

*橘玲 もっと言ってはいけない p86(2019)より改変

これは女性と男性の知性について表したグラフです。
縦軸は人数横軸はIQを表しています。赤は女性、青は男性です。

女性はIQ100付近の人数が男性よりも多く、男性はIQ130などの高い知能を持った人も女性より多いが、その分IQ70以下の低い知能を持った人も多いことが分かります。

したがって、女性や男性の脳が優れているということはできません。

ルーマニアでは女性と男性のIQのばらつきに差がないことが示されており、文化的背景によってテストの差が少なくなる可能性が示唆されます。(5/6追記)

男性は良いも悪いも極端で、女性は平均的であるという事実があるだけです。女性の中にも極端に優れた知能を持つ方もいますし、男性に一番多いのはIQ100の人間です。割合の違いでしかないことを理解しましょう。

しかし、「女性と男性の脳には違いがある」というのには一定の説得力があります。なぜ、男女の脳に差が生まれるのでしょうか?

(PR)もっと言ってはいけないは「知性」について深く考えるためのオススメ本。何が良い、何が悪いという話は書いてありません。しかし、「賢さ」とはいったいなんなのか。真摯に向き合うにはまず現実を知ることが必要です。そんなヒントを得るためにとても有用な一冊。「知」が好きな人だったら一瞬で読破できるオモシロ本


■男性脳と女性脳の違い

女性は感情の理解力が高く、男性は問題解決の能力が高いという結論には、統計的な根拠があります。

男性と女性の脳の違いを語るには、自閉症について知ることが欠かせません。自閉症について誤解を恐れずにシンプルに説明すると、「共感能力が著しく低く、コミュニケーションが苦手」な特徴をもつ方を言います。

しかし、知能指数は同年代の他者よりも優れていることも多く、一定の分野で特筆すべきせいかを上げる方も多数存在しています。

自閉症のうち、知的障害や言語障害を持たないグループを「アスペルガー症候群」と呼びます。最近の研究では彼らは脳の「障害」を持っているわけではなく、「特有の認知スタイル」を持った人として扱われるようになってきました。世紀の哲学者:ヴィトゲンシュタインも自閉症の特徴をもっていたと言われています。真理の探求者としては、優れたパーソナリティなのかもしれません。


■なぜ、自閉症がそれほどまでに重要なのか。

そもそも男性脳と女性脳とは、男性は論理的思考能力に優れ、女性は感情理解に優れているというステレオタイプによる考え方です。

男性脳 = システム脳。分類や理論に優れる。
女性脳=共感脳。感情理解に優れる。

自閉症の人は感情理解能力が極端に低く、物事をシステム的に理解することが非常に得意な特徴を持ちます。男性は女性に比べて4倍も自閉症の発生頻度が高いということも良く知られた事実です。

このことから、自閉症とは、極端な男性脳を持つことなのではないか?という仮説を提唱したのがBaron-Cohenです。彼は2009年の論文によってそれを「共感とシステム理論(Empathizing-Systemizing Theory)」と名付けました。

しかし、この仮説は、「目元を写した画像から感情を読めるかどうか?」など根拠としてはかなり脆弱な研究や、そもそもサンプル数が極端に少ないデータを参考にしたものでもあることから議論の余地を多分に残すものでした。


■68万人を対象にした研究からみる、男性脳と女性脳

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根拠が弱い2009年のBaronの仮説を裏付けるため、2018年には68万人のデータセットを用いた研究が行われています。この中には5万人もの自閉症患者が含まれ、男性脳と女性脳、そして自閉症の男女それぞれの脳の特徴が徹底的に調べ上げられました。

カルフォルニア大学によって行われた、男性脳と女性脳の最新かつ、世界最大規模の研究データになります。

その結果は、共感とシステム理論を支持するモノでした。

女性の方が男性よりも共感力(EQ)が高い
男性の方が女性よりも論理力(SQ)が高い
自閉症の方は男女関わらず論理力(SQ)が極端に高い
*ここでのEQはEmotional Intelligence Quotientではなく、Empathizing Quotientのことなので注意!

したがって、女性は共感力が高く、男性は論理力が高いというのは客観的な事実ということができます。

実は、女性は「共感力」を偽装しており、実際には共感していないのにも関わらず「共感しているかのようにふるまう」ことが自閉症の方による研究で判明しています。健常者に当てはまるかは分かりませんが。

まぁ少なくとも女性は「共感しているかのようにふるまう」のは間違いありません。

とはいえ、これは男性と女性の「平均値」の話に過ぎません。
アナタが「男性脳」と「女性脳」どちらを持っているか。
それを知りたいですよね。

ちゃーんと用意してますよ^^


■男性脳か女性脳か判別してみよう!

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これを使えば、自分の男性脳スコア女性脳スコア。そして偏差値を知ることができます。

男性脳スコア=女性脳スコアになっている人や、差が極端に少ない人は「バランス型のタイプかもしれません。

さらに、男性脳スコアが極端に高く、20ポイントに近い人は自閉症型の天才に近いパーソナリティを持っている可能性があります。

アナタのスコアはどうでしたか?


■男性脳も女性脳も、極めすぎると不幸かも?

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男性脳のシステム化された論理的思考力は、問題解決に役立つ素晴らしい機能です。現実を正しく認識し、行動を変えることができます。

しかし、人の繋がりは「真実」だけで構成されているわけではありません。私たちが「面白い」と感じる物語は主にフィクションです。作り話なのです。人は、共通のストーリーを持つことで繋がることができます。

きわめて進んだ男性脳を持つ人は、ストーリーに興味が湧きません。したがってストーリーを共有できません。これによって、コミュニティにうまく馴染めないことで苦しんでしまうことも多いのです。

女性脳の共感力は、コミュニティを維持するのに不可欠です。共感は「個」どうしの対立を防ぎ、グループとして同一化するために必要な能力です。

一方、女性脳の機能だけでコミュニティを成立させることも不可能です。なぜなら、間違った意見には共感だけでなく、修正が必要な時もあるからです。さらに、全てに共感する人に「個性」は存在しません。自分がやりたいことを貫くためには、女性脳の機能が働きすぎることは考えものです。

どちらが良いとは言えません。

様々な個性を持る、多様性のあるパーソナリティを持つ人がいるからこそ、私たちのコミュニティは豊かになるのです。

互いに排斥することは愚の骨頂。

それぞれの個性を活かせるコミュニティ作りが大切ですよね。


今回のギモンの提供者

男女の脳の違いについてのギモンを提供してくれました!ありがとうございます!はじめてWebアプリを導入してみるきっかけを提供してくれたのもうれしいポイント^^


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引用

Baron-Cohen S (2009) Autism: The empathizing-systemizing (E-S) theory. Ann NY Acad Sci 1156:68–80

Greenberg, David M., et al. "Testing the Empathizing–Systemizing theory of sex differences and the Extreme Male Brain theory of autism in half a million people." Proceedings of the National Academy of Sciences 115.48 (2018): 12152-12157.

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