誰でもできるPubMedの使い方:自由自在に探すためのカンタンな方法。
ちょっと今日はテスト的に専門的な内容です。
医療従事者なら一度は”PubMed”という言葉を聞いたことがあると思います。
①「あ~、あの英語のやつね~」
②「論文探せるやつでしょ」
③「研究デザインくらいならわかるよ。」
④「MeSH?なにそれおいしいの?」
⑤「サーチビルダー?」
⑥「このくらい全部余裕です。」
いろんなレベルの人が存在している事でしょう。
今回の対象読者は②~④くらいの人を想定しています。
つまり、
・論文を読んでみたい。
・医学的な臨床疑問がある。
・治療や知識のベースとなるエビデンスを探したい。
といった人が対象です。
この記事では、
MeSHを用いていろんな論文にアプローチすることが出来るレベル
までご紹介していきます。
自分が興味ある分野の論文を自分で見つけ出して、知識を深めることが出来れば、実臨床でも役立ちます。また、知識を満たすことは単純に快感でもあります。
そんな貪欲な人の為に、今回は論文検索の最も簡単な方法をご紹介していきます。
文献は全て英語ですが、
この↑ 以前私が書いた記事を使えば、英語はなんとか克服できるようになります。ご参考まで。
では、『PubMedの使い方』スタートです!
そもそもPubMedって?
NIHがどうのとか、難しい説明は一切しません。PubMedとは
「世界中の医療系論文を取り扱っている
データベース」
の事です。
つまり、PubMedを使いこなすことができれば、大半の医療知識にはアクセスできるようになるということです。しかも全て無料。
いやー、インターネットの発達ってやっぱ素晴らしいですね。情報がこんなに”簡単” ”大量” ”早く” 手に入るなんて。
PubMedの最も簡単な使い方
一番簡単なPubMedの使い方はトップページの検索ボックスに言葉を入れて、Searchボタンを押すことです。
例えば、「diabetes」=糖尿病と入れて検索すると、
こんな感じでたくさん出てきます。これが最も簡単なPubMedの使い方。この中から自分の探したいデータを探すというのが基本です。
ただし、今回引っかかった論文の数は676123本。さすがに多すぎてみる気になれません。そこで、画面左側を使います。
黄色いマーカーを引いたところを使うことで、論文の絞り込みが行えます。
Article typeは、研究デザインの事です。
Customizeをクリックすると、臨床試験データなのか、レビュー論文なのか、メタアナリシスなのか。を選ぶことが出来ます。切り替えて使いましょう。
オススメは、レビューを見てその範囲の概要を確認してから、細かなRCTや臨床試験データをみることです。
研究デザインについてよくわからない人は、
https://kana-ot.jp/congress/kccot3rd/vol-3
コチラなどが比較的わかりやすいかと思います。
Publication datesは発行日の事です。5年以内、10年以内、指定日で選択することが出来ます。
Speciesは実験した種の事です。ヒト対象のデータが欲しいのか、動物実験データが欲しいのかで選んでみてください。
↑CustomizeからMeta-Analysisを選択し、2018.01.01~2019.01.01、Humanのみで検索すると、782本の論文に絞ることが出来ました。
782本も読むのはしんどいですが、実際に調べるときはGoogleで調べるときのように、何個かのキーワードで絞り込めばかなり数を減らすことが出来るはずですよ。
検索ワードの選び方について。
そもそも、糖尿病=diabetesということが分からない場合もあります。というか、最初のうちは医療英単語なんて、わからない場合がほとんどです。
そんな時は、このサイトを使いましょう。
このサイトにアクセスすると、シソーラスという検索窓が出てきます。
ここに”糖尿病”と入れることで、
糖尿病とその関連語句の英語が一気に検索できます。この中からキーワードを選んでPubMedに入力すればOKです。
MeSHについて
例えば、糖尿病には"1型" "2型"もありますし、英語だと"diabetes"の他にも”diabetes mellitus”という呼び方もあったりして、どのワードで調べればいいのかわかりません。
ライフサイエンス辞書で調べてみると、
1型糖尿病=”type 1 diabetes mellitus”
2型糖尿病="type 2 diabetes mellitus"
と出てきます。もし、1型も2型も一気に調べたい時はどうすればいいのか?という問題を解決するのがMeSHです。
ほかにも、論文タイトルがMellitusというワードで書かれていたとしても、検索結果に含めてくれる機能でもあります。
自分が必要としている情報を見逃さない為に、MeSHを使いましょう。
まず、検索窓にdiabetesを入れてみます。
すると、”Diabetes Mellitus”が出てくるのでクリックしましょう。
その結果が↓です。画像の下の方を見ると、”Diabetes Mellitus”の下にType1とType2が来ているので、”Diabetes Mellitus”というMeSHは、1型と2型糖尿病のどっちも含むワードであることが分かります。
実際にPubMedで検索してみるときは、ただ”Diabetes Mellitus”と入れるとMeSHだと認識されません。
"Diabetes Mellitus"[Mesh] と入れることで、MeSHとして認識されるので、検索結果には1型・2型両方の論文が含まれるようになります。
ちょっと概念が難しいですが、次回はこのMeSHを使って、もっと深く検索をできるような記事を書いていきますね。とりあえず今日はここまで!
もっと詳しく知りたい方はコメントなど頂けると助かります^^
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