【最新研究】出産後の体重増加はいったい何キロ? 5年以上かつ6,000人以上を追跡して得られた答えとは!? 【身長ごとの体重増加早見表付き】
ハイライト
・ケンブリッジ大学が、6,000人を超えるデータを平均5.6年に渡って追跡調査。
・身長ごとに体重がどのくらい増えるか早見表を作成!
・食事や運動習慣の変化、今日からやるべきこととは?
出産後の体重変化っていったいどのくらい?🕵️♀️
肥満やメタボが健康に悪いということは、誰でも知っている常識になりました。それは、運動習慣や食生活の見直しによって、心臓病・血管病・脳梗塞などによる死を40%も減らすことができることが判明しているからです。
肥満状態は、若い時から長く続けば続くほど、これらのリスクが高まることが知られています。一方、若い女性の体重増加の原因として、高い頻度で起こるのが『出産』というイベント。
出産は命をつなぐ大切なイベント。もちろん、それによって女性の体重が増えることは誰でもわかります。産褥期といって、産後6~8週間までの期間は妊娠によって変化した体重が元に戻ろうとしますが、その後の体重は女性の生活次第。実際には何もせずに妊娠前まできっちり戻る人は一握りにすぎません。
いったい〇〇kgまでは出産による体重増加として許される範囲なのでしょうか?
その答えは、最近まで明らかではありませんでした。ちゃんとしたデータがなかったのです。
しかし、今はデータ社会。
出産による体重増加が平均してどのくらいなのかを知ることができます。
自分の体重増加がヤバい所まで来ているのか?
それとも平均的なものなのか?
そんな不安を解決します!
6,000人を超えるデータで出産後の体重変化を探る🔍
今回紹介する研究はケンブリッジ大学が2020年に発表したばかりの最新研究。84,288個の研究の中から、基準に適合する15個を洗い出し、6,000人を超えるデータを平均5.6年に渡って追跡し、出産と体重の関係を導き出したものです。
5.6年という長い期間ですから、出産していない人の体重も変化します。そこで、研究の良いポイントが出てきます。
・出産していない人の体重変化が分かる
・出産した人の体重変化わかる
2つのデータを比較することで、データの信頼性を高めています。当然、もともとのBMIはどちらのグループも同じように調節済み。
『出産』が体重にどのような影響を及ぼすのかを暴き出します。
それでは、気になる体重変化を見ていきましょう!
【比較】出産していない人 🆚 出産した人の体重変化!
■ 1年ごとに増加するBMI
・出産していない人:BMIが0.5 増加
・出産している人:BMIが0.58 増加
・出産が原因で増えるBMI:0.08 増加
■ 追跡期間(5.6年)で増加したBMI
・出産していない人:BMIが2.8 増加
・出産している人:BMIが3.27 増加
・出産が原因で増えるBMI:0.47 増加
BMIだとわかりにくいので、体重の一覧表を用意しました!!
■『 1年』ごとに増える体重がコチラ↑↑
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■今回の観察期間(5.6年)で増えた体重がコチラ↑↑↑
したがって、結論はこうです。
・出産していなくても体重は年をとるごとにどんどん増えていく
・出産していないヒトでも5.6年かけて7kg前後増える
・でも確実に、出産した方が体重は増える
・出産した人ヒトは5.6年かけて8kg前後増える
表をみれば、自分の身長から増える体重の量が分かります。
ぜひ確認してみましょう!
出産直後の方なら、「1年ごと」のグラフ。出産してからしばらくたっている方は「5.6年」のグラフが参考になります。この数値よりも多く体重が増えている人は、ちょっと太りすぎかもしれません。早めの対処が必要です。
ちなみに、男性を対象にした研究では、親になる事によって体重変化は起こらないことが示されています。
食べる量や食事の質は出産前後で変化するの?🍽️
今回の研究では、食事に関しても興味深いことが分かりました。
・出産後の母親は野菜を食べる量が増える
・カロリー摂取量は増える傾向にある
・甘いものやハイカロリー食品をたべがち
母親は家族のために野菜をレシピに加えることが多くなることが示されています。これは健康的にはポジティブな効果があります。
一方、カロリーの摂取量が増えたり、甘いものなどハイカロリー食品の摂取が増えるなど、全体のエネルギー量は大きくなりがちの様です。
まだまだ食事については研究途上であり結論とは言えません。
しかし、食事の質や量に関してはしっかり考えて対策しないと、出産後・出産なしにかかわらず、女性の体重は大きく増えてしまいます。
5年で7~8kg。
この数字は対策無しで太刀打ちできるものではありませんよ。
運動量は変化する?🏃♀️🏃♀️🏃♀️
22~27歳の若いオーストラリア人女性:8,545人に参加してもらった調査データでは衝撃的な結果が示されています。
子供がいる女性は、子どものいない女性に比べて
「2.2倍」も運動習慣が少なかったのです。
さらに、別の研究では、子どもをもつ父親を2年にわたって追跡調査し、持たない男性に比べて運動時間が1週間のうち「5時間」も少ないことを確認しました。
特に激しめの運動は、親になると激しく減少する傾向が示されています。育児には時間も労力も必要ですから、おそらく運動をする時間を作ることが難しいのが原因でしょう。
女性は大変だ。男性は女性をフォローしなくちゃ👪
親になることは大変なことです。心理的なストレスもたくさんあります。本当に大丈夫だろうか?ちゃんと育てていけるだろうか?お金の問題だってあります。
夜泣きなんかもありますから、睡眠時間だって産む前と同じように確保できるわけじゃありません。
今回の研究から分かるように、運動習慣が少なくなるとはいえ、男性は出産もしませんし、体重変化など体の負担も少ない傾向にあります。心理的なストレスは女性と同じくありますが、それでもやっぱり負担は少ないのです。
・働いてるから
・疲れているから
・ストレスがあるから
それは女性に対する言い訳としては成立しません。
今回示したように、女性は変化していきます。フォローしてあげましょう。
心理学ストレスをコントロールし、美しさも保つ一石二鳥の方法は、
『運動』です。
今回の研究でも示されたように、子供がいると激しい運動をする機会は少なくなってしまうため、緩やかな運動は特に意識して回数や時間を増やすことが推奨されます。
例えば、家の近くの公園を散歩するのは良いアイデアです。できたら水が近くにある場所だと最高です。
海や川が近くにある方は、そんな場所。
都市部でも、噴水などが近くにあったら、そんな場所はオススメです。
自然との接触+運動はメンタルを安定させます。
自然とメンタルの関係を1252人の参加者のデータから明らかにした論文を取り上げた記事です。なにかの参考になるかもしれません。
他にも、いくつか今回のテーマに関係している記事をご紹介。役立ててくださいね♪
引用
Corder, Kirsten, et al. "Becoming a parent: a systematic review and meta-analysis of changes in BMI, diet and physical activity." (2019).
Bell, Sandra, and Christina Lee. "Emerging adulthood and patterns of physical activity among young Australian women." International journal of behavioral medicine 12.4 (2005): 227.
Hull, Ethan Edward, et al. "Influence of marriage and parenthood on physical activity: a 2-year prospective analysis." Journal of Physical Activity and Health 7.5 (2010): 577-583.
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