保護者に要求をするなら
保護者がその要求を実現できる頼み方をすること。
幼児棟にアトピーがひどい子がいました。
その子は家族再統合の為、初めて数週間保護者の待つ家に帰りました。
その子を見送る日、保護者にこの子の衛生を保つ為に爪を常に切って欲しいと伝えましたがその子が戻ってくると爪は伸びきったまま。
伸びた爪で掻きむしった皮膚はさらにひどくなっていました。
"やはりこの保護者には監督責任の認識がないように思える"という情報が職員会議で共有されました。
私も、なんで子どもの爪を切る簡単なこともできないのかと思いました。
しかし今親になって思います。子どもの爪を切るって大変なこと。
簡単そうに思えるかもしれませんが、大変なんです。
暴れないように何かに気をそらさせて、その間に切る。
少しでも泣かれると、押さえつけなくてはいけなくなるのでもっと泣かれる。
きっと、この保護者にも同じことが起こったのでないでしょうか。
保護者に爪を切る要求をするなら送り出す前に
実際に子どもの爪を切る場面をみせたり、一緒にやってみたりする必要があったのだと今は思います。
子どもを送り出す際に保護者に対して
"〜してください。"と要求だけを伝えるのではなく
どうしたら
その"〜してください。"を保護者が実現できるのか
私たちが子どもに対して当たり前にできることも、
被虐待児の保護者の立場になると難しいことが多いです。
子どもができたことで保護者を支援できることが増えたと思いますが子どもがいるから24時間シフトのこの仕事にはもう就けません。
児童指導員はパート勤務なんてなかなか無いですからね…。
もどかしいです(*_*)