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ある王女のためのヘアキャップ
バンダランダ王国のペフィ・オ・パティ・ラ・ムー王女はお誕生日を明日に控えてそれはそれはご機嫌でした。
「あ〜ぁ、わたくしの巻き毛の上に乗る可愛らし〜いお帽子があったらどんなにか幸せかしらねぇえ? 」
欲しいものがあるとき、できるだけ多くの人に聞こえるように独り言を言うのがペフィ王女のやり方でした。そうすると王女さまの笑顔を見たい者たちが我も我もと勇んで叶えてくれるだろうと思っているのです。
ハーフリングのヘアキャップ
今日はハーフリングという種族がいかに素晴らしいか、皆さんにもわかるような例を挙げてご紹介しましょう。
ハーフリングの娘、ローズは働き者の小間使いでした。生家は綿織物とそれを使った製品を拵えて売っているのですが、家計は厳しく、上の子のローズは実家を出てからバンダランダ王国のお城に住み込みで働いているのでした。
メイドの仕事をするとき、ローズはいつも家族が作った木綿のヘアキャップをかぶります