ある王女のためのヘアキャップ
バンダランダ王国のペフィ・オ・パティ・ラ・ムー王女はお誕生日を明日に控えてそれはそれはご機嫌でした。
「あ〜ぁ、わたくしの巻き毛の上に乗る可愛らし〜いお帽子があったらどんなにか幸せかしらねぇえ? 」
欲しいものがあるとき、できるだけ多くの人に聞こえるように独り言を言うのがペフィ王女のやり方でした。そうすると王女さまの笑顔を見たい者たちが我も我もと勇んで叶えてくれるだろうと思っているのです。
宮殿のバルコニーからペフィ王女の独り言が美しいソプラノで響き渡ります。ペフィ王女