氷柱心中未遂事件
やさしい拒絶、やさしい否定、そのやわらかさがひとをゆっくりころしていくんだって、知らないでいられたきみたちのこと、うらやましくてしかたがないけど、おなじくらい同情している、カシミアのマフラーでくびをしめられる前でよかった、染みついた不健康なブルーベリーのにおい、地獄でさがしつづけてしまわないように。
復讐したいって思えればうまれかわれたのかもしれない、輪の中にはじょうずに入れません、順番こねって言われたら良い子で順番を待つんじゃなくてほかのおもちゃをさがすからいいよ、そうやっていつもひとりで均等に減らしたクレヨン、だって、ぼくだけのとくべつじゃなければ意味がない、お下がりはみんないやだったでしょう、真新しい、ぴかぴかの、自転車ならどこまでも行けるのにって思ってたでしょう。
きみのさみしさなんてくだらなくて、あたたかい毛布で半分はなんとかなるって、笑ってやろう、傷つけられただけ傷つけてあげよう、しなない程度にやさしくし合おう、そうやって、やわらかな愛もやわらかな憎しみも、信用したりしないように、ひとりぼっちどうしで冬を越えよう。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。