0205個目のセーブポイント

雪が降ってるね、降るたびに言ってるけどさ、雪が降ることをもう喜べなくなって哀しいね。
でも雪がとけたら春が来るって、それだけはずっと忘れないでいたいね、
別に好きじゃない春、特別じゃない春、わたしのものにならない春が。
 
 
上手に話もできないのに、上手に書くこともできなかったら、上手に詩にしてしまえなかったら、わたしの胸のなかの水はそのうち淀んで濁って生き物の住めない場所になってしまうんじゃないかと怖くなる。

天気が良くないと大抵調子も良くなくて、自分の機嫌をとるためにかわいい傘をさして本屋に行く元気もなかった、
回復薬を買いに行くにもMPがいるって優しいだけのRPGは教えてくれなくて、だけどもう、現実以外で疲れたくないよね、
わたしがわたしの思った通りに動いてくれない、
クリアできないゲームを投げ出してしまった日はいつも、カミサマが怖くてうまく眠れない。
 
 
わたしのこと信用はできないままだけど、今日も伝説の剣はこれなんだってことだけは信じてやまないまま、鋭く、鋭くなれとたったひとつのナイフを研いでいる。

そのへんの主人公たちはみんなわたしよりずっとずっと健やかで、敵たちはわたしよりずっとずっと哀しい、
それぞれの地獄のことを忘れないでいようと思うたびわたしの地獄には罪人が増えていくような心地だけど、
それでも、あなたの地獄とも仲良くやりたい。
 




生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。