わたしのモモ、わたしたちのモモ。

 

ブロッコリーをフォークで突き刺した瞬間だけはちゃんと生きているような気がしたし、いつかちゃんとしねるような気がした、ねぇモモ、わたしひとりでも、って、言いかけてやめて、モモのふわふわのからだをぎゅうっと抱きしめた。
名前のないどうぶつに、モモ、と、名前をあげたのはわたし、けれど、モモをつくったのは、わたしでも神様でもないどこかのひと、だということにひどく安心したとき、わたしは、まだ、平均台の上にいるのだと思った。
 
 
あなたをつくって名前をあげたら、それとも、わたしがあなたにつくられて名前をあげたら、チャイムが鳴って、(帰るべき場所に)帰れるのだろうか。秒針にからだをはりつけられているひとを見ると急にこの世のすべてが不安になって、だきしめたくなる、のが、モモじゃなくなった日の夜は、途方もない悪夢を見た。
 
 
ごめんねモモ、モモが話せないことを思い出して、やわらかな眠りについてごめんね。







生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。