くらげの骨マイナーチェンジ
いつかくらげを飼いたいねといった背の高いひとがどうせ死ぬまでくらげを飼わないことくらい分かっていて、そうだねと答える自分の瞳の光の鈍さが嫌いだった、あのひとは、あのひとに話すときだけは、ぜったいに、誰も、くらげのこと、海の月だって言いませんように、ベニクラゲの生態のことも、ぜったいに話したりしませんように。
LEDで飾られた水槽のなかのくらげみたいに、は、光らない子宮、揺れるけど、光らない瞳、揺れるけど。
水族館に興味のないひとと誓いのキスをした瞬間、空と海をひっくり返して祝福されたい、クラッカーからこぼれるカラフルなテープみたいに鮮やかな魚が降る、
片付け、大変そうだね、きっと深海でも天空でもそんなことばかり気になるわたしがきょうも世界に飽和している、
だいじょうぶ、海も空もつながったままだよって、 散らからないクラッカーを発明したひとが遠くいつか神父に生まれ変わって、
きっと、そのまた何千年後、あのひとはくらげに飼われている。アーメン。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。