ぼくも陸では半透明で

 
 

さよならクラゲ
ぼくはもう海を出るし
もうにどと海を
泳ぐことはないだろう
ある日落ちてきたひかる破片に
からだが映って
気づいてしまったのだ
ぼくはひとだった

にほんあしで歩くようになって
おおきな水槽を買った
ちいさな魚を飼って
不自由と自由をしりたかった
不自由とはぼくのからだで
自由とはきみのからだだと
妬んでやまなかった
じぶんの愚かさをしりたかった
そうしていつか
きみを海からひきずり出して
おなじところで死に
おなじ海に捨てられたい
だってぼくたちはちがうからだで
だってきみの言葉は見えない

だってぼくはそれでも






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。