動物たちのパラドックス
「僕は生まれたときから動物だよ」
「わたしもですよ」
「それならそのワンピースの中にあるのが真理だよ」
「この中に何が広がっているかなんて、ボタンを外すまでわからないでしょう」
「僕は物理学者になれなかった動物だよ」
「わたしもですよ」
君の袖口の
ほつれた糸
どこまでも伸びていく
罪のあかし
に、絡みつくらせん
ぐちゃぐちゃのコードも
遺伝子ごと盛りつけた
統一性のない食器
不摂生は鼓動になるから
散らかった部屋に住むあなたがいいのです
散らかったこころを片付けられない
複雑で面倒なあなたがいいのです
わたしの膝で眠ってください
もう誰も君を騙せないように
欲と呼ばれる愛にまかせては
無垢な怒りを動物に変えて
始まっているし終わっている
そんな生を営みましょう
羞恥の中で選んだ
傲慢なワンピースが わたしのすべて
獰猛な角が あなたのすべて
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。