ブリキでできたふたつめのハート

 
未来なんてあたしにもよくわかんないけどせめて次のデートくらいまではあいしてほしい、そうやってちいさな約束を繰り返してそのうち永遠になるんだって盲目的にしんじてやまない、おろかなこどものまま、動物園に連れて行ってほしい。
きりんのながい首がこちらに向かって折れる、そのはやさと、にんじんのあかるさだけを覚えていたい、それ以外のめんどうなことなんて、丸ごとわすれてしまいたい。

ぞうのかたいひふのいろがこんなにも生に見えるからあたしの纏うワンピースがしんでいるように思えたけれど、すぐに首を振って頭のなかでごめんなさいと手を合わせる、かかわった、ヒト、たちの生、意識できないなら、それはあたしの生もだれかにとって、炭酸水のあぶくのひとつみたいに知らぬ前に弾けて消えてなんの影響もなさないってことで、それを知ってしまうのだけが心底こわかった。
あたしのひふのいろ、ふれたここち(良くなくても)、きみにとってひとときでも生で、愛で、あってくれと祈る、ひざの上のモルモットみたいに、無責任でいい。

動物園のそと、うつつのにおいのなか、お別れをする、別の家に帰る、ずるくてごめんね、あたしには、生活のためのもうひとつの鼓動があるの。





生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。