いびつな螺旋をうたってマリー
あたし以外、歌なんかうたえなくなってしまえ。
歌はいつからひとと共存しているんだろう、原始、まばゆいだけのオーパーツ、誰かをカミサマにして生きるくらいならカミサマになってやりたかった、ラズベリーとはちみつと、それから白い白い花の香りのするカミサマ、好き勝手に祈られて崇められて、あたしたまに涙を流してみたりして、ゆっくり頷くだけでいいでしょう。あぁ、カミサマは祈ったりしないから、歌なんかいらないのかもしれない。
マーマレードをぬったトーストだってだれかの芸術の切れ端だとしたら、大きな口でかじりついて食べ尽くして消費してしまうしかない、苺ジャムにしたらよかった、フルーツサンドをつくるほどは満ち足りても乾いてもいない歪んだ骨、そのひとつまでが数字になるなら、感覚のままに並び替えて詩にしてしまおう。
そのあいだのあたし、楽器を弾いている、あいだのきみ、ただ眠っている、あいだのあなた、きっと、カミサマだった、天使だった、うつくしく、精巧な、ひとだった。
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