あおは愛よりいでて愛よりあおし
わたし本当はそんなにあおくないので、カラフルなチョコレート・ドーナッツに縋りたくなったりする
わたし本当はそんなにあおくないので、夕映えを思いだして遠くへいきたくなったりする
わたし本当はそんなにあおくないので、信号をちゃんと待つあいだ泣きたくなったりする
わたし本当はそんなにあおくないので、グラスの中が空になるまで息がしにくかったりする
空も海も公園のすべり台もあの子の傘もひたすらにあおくて逃げたくなった、きみの好きな色があおなのも知ってるのよダーリン、勘違いしている、ひとの大抵は無限にあおかったりするけれど、わたしはたぶんそんなにあおくない、特に、きみといる間、この世でいちばん、あおくない。
あおいものは美しいけど美しいものがみんなあおいわけじゃないって叫ぶたび喉がちぎれそうに痛い、古い自転車の塗装、爪ではがして安心した、ペンキ塗りたてのベンチがずっとずっと羨ましい、カメレオンになってしまいたかった、彼らだって何色かでいたくて泣いているかもしれないのに。
わたし、本当は、そんなに、あおくないので、
地球を、だきしめて、ねむりたがったりする。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。