花に嵐


ベイビー、わたしのする復讐って
葬式の最中に棺桶から起き上がることだよ
棺桶から起き上がったとき
できるだけ美しいほうがいいから
水をたくさん、たくさん飲むんだよ


死はいつも窓辺の安い一輪挿しの中で枯れたり咲いたりしているのに、対岸でぽつんと立っていると思ってるから君はわたしが水を毎日取り替えていることに気が付かない、

1日のうち、一生のうち、良かったことと良くなかったことだけを流暢に話すけど、忘れてしまうような思い出の中にだけある湖にいっとう綺麗な魚がいるって、
わたし、話したこと、君、忘れてるでしょう。


メイビー、わたしもしかしたらいつか、の嵐
君が葬式の最中に棺桶をあけちゃうといいな 
心臓に耳をつけたとき
できるだけあの湖が透き通るように
水をたくさん、たくさん飲むんだよ







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大海明日香
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。