プラスチック・ミューズ(ver.P)

 
 
いっそ全部プラスチックで、変えたくなったら簡単に形を変えられるからだだったらいいのに、と思うのはきみと抱き合わないときだけで、だれにも触れないなら体温や柔らかさは別にいらなくて、ただつくりものみたいに美しくあればいいらしい。
 
人形みたいになりたいと思えないのは小さい頃リカちゃんを買ってもらえなかったからかもしれない、けれど悲しくも嬉しくもないし、良いか悪いかもわからない、
良いか悪いかもわからない、けど、鼻先はたぶん、光っていたほうがいい。 
 
 
美しくなりたいのが生存のためであることを腹立たしいと思うならやめてしまいなさい、と、言う女神はメイクを落としてもまつげが長いままだから信仰しない。
あの子が髪を梳かした朝、本を読んでいた、あの子がセックスしている夜、詩を書いていた、
サンタクロースは信じていなくても、まぶたは勝手に光ると信じていたかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。