世界の美しい図書館を訪れ、これからの図書館についてだらだら考えてみた
図書館というものが好きで、小さい頃から図書館に入り浸っていました。古い本が保存されているような博物館も美しいけど、実際に借りられる図書館も最高。広い図書館を好きなコーナー以外にもふらふらと歩きまわって、気になるタイトルの本を開き漁る喜び。本屋さんと違って、図書館にある本は今すぐ手に入るわけだからね。お金とか気にしなくていい。
私は旅暮らしなのでKindle本を買うことが多くなってしまいましたが、国内・国外問わず、定住している時は図書館愛用者で、いつも部屋に図書館から借りた本が積み上がっています^^
世界一美しい図書館(当社比)
まず最初にご紹介するのは図書館ファン必見!世界の美麗図書館。私が今のところ一番美しいと感じているのがシドニーの図書館、State Library of NSW(ニュー・サウス・ウェールズ州立図書館。足を踏み入れると宝箱の中に入り込んでしまったような感動が全神経を痺れるように流れます。この世に本がある喜び。図書館なのに喜びの雄たけびを上げたくなるほど美麗な図書館です(でも図書館なので声は出せないw)。
✓ 参考リンク ニュー・サウス・ウェールズ州立図書館
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他にも挙げておきたいのは、デンマークの王立図書館・ブラックダイヤモンド。名前までゴージャス。中はすみません、割と普通w 外見の攻め方が好き。
✓ 参考リンク デンマークの王立図書館
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フィンランド・トゥルクの図書館。ガラス張りでくつろげる北欧デザインが素敵。
✓ 参考リンク トゥルク市図書館
神々しいまでの本が安置される図書館
神の本、と言ってもいいほどの美麗本を拝みたい場合はニューヨークのThe Morgan Library&Museumが全力推し!
JPモルガン氏のプライベートライブラリーだったミュージアムで、モーツァルトやベートーベンの手書きの譜面やガリレオの設計図などのほか、西洋初の印刷聖書「グーテンベルク聖書」など希少本を収蔵。触れられないけど、触れられないからこその感じ取れる美がここに。ミュージアムは金曜の夜19時~21時までは無料で入館可能。
✓ 参考リンク The Morgan Library&Museum
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こちらも貸し出しはできませんが、ルーマニア・トゥルグムレシュにある図書館、Teleki-Bolyai Library。1802年に著名なブックコレクターのTelekiさんによって創立された図書館で、20万冊以上もの本が保管されています。
✓ 参考リンク Teleki-Bolyai Library
世界の図書館システム
「世界」といっても、ロサンゼルス、フィンランドくらいしか知らないのですが、図書館について海外の人と話すと、日本の図書館システムって特殊なんです。どこが特殊って「返却遅れても罰金がない」こと。
ほとんどの国が罰金アリなんですねー。貸し出しは本は2~4週間、DVDだと2週間まで。フィンランドでは予約がなければネット経由で何度でも貸し出し更新が可能(日本でもネットで延長できるけど、1回までとか制限あるよね。頻繁に図書館に行かないといけないのは罰金のなさゆえかも)。
さらに自転車もレンタルできるようでした。しかし、返却しなくても罰金がない、というのは日本くらい。ここらへん、日本の国民性がすごく出てますよね。他の国で罰金がなかったら返さない人続出しそうですからw
上海では貸出カードをつくるのにお金がかかるようで結局やめた思い出がありました。カードまではだいたいどこの国も無料な予感。
電子書籍の登場でどうなる図書館?
図書館でやきもきするのは、人気の本は予約者が100人とかになっていて、借りるにもだいぶ待たないといけないこと。買えよって言われればその通り、反論できないんですが、もしも電子書籍で貸し出ししてもらえたら、こういう待ちがなくなります。ただそれだと電子書籍が無料化するのと同様なので、書籍内に広告を付けるとかして収益化されないと、著者と出版社に利益が還元されなくなりますね。創る人に利益がちゃんと出ないと、創る人がいなくなっちゃうから、それはまずい。
ほとんどの本が、Amazonプレミアムの読み放題指定になってくれたら読みまくれるんですが笑。ちなみにAmazon購入したKindle本は友人間での貸し借りが可能です。
✓ 参考リンク 本の貸し出し(Kindle本レンタルについて)
世界最古の図書館は?
そもそも図書館っていつ始まったんだろう。知識を共有するっていうアイデアって、けっこう画期的ですよね。調べたらこんな記事がありました。
世界最古の図書館は、アッシリア帝国のアッシュールバニパル王(在位紀元前668~紀元前627)の王宮遺跡から発掘された図書館と書かれています。日本では、奈良時代(8世紀末)に石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)が私邸内につくった「芸亭(うんてい)」と称する書斎が一般に公開された図書館の始まりと言われています。
学校のアイデア自体もすごいですよね。まとめて教えることで集団の基礎知識を一度にアップしようという。なんとなく、みんながワクチンを打つことで病気を予防する、集団免疫の考え方に通じるものがあります^^
✓ 参考リンク 図書館はいつ始まったのか?(レファレンス協同データベース)
図書館の未来はどうなるの?
中古本をすごく安く買えるようにもなってるし、電子書籍も貸し借りできる。そうなるとこれからの図書館ってどうなっていくんでしょう。ちょっと調べてみました。文部科学省のサイトにはこんな記載があります。
図書・雑誌・新聞等の出版物は,現代社会における知識と文化の有力な流通手段であり,将来,人類の文化遺産となる。これらの様々な出版物を収集・保存し,様々なサービスを通じてすべての人々に提供する図書館の基本的役割は今後も変わらない。これに加えて,インターネット等の電子情報へのアクセスを提供するとともに,電子情報を発信あるいは保存することもこれからの図書館の役割である。
サイトでは図書館の目的として,教養,調査研究,レクリエーションの3つを挙げているのに加えて
図書館は,海外の図書館のように,教育プログラムやアウトリーチ活動などを積極的に行い,魅力的な図書館づくりを行うべきである。
という記載があります。
✓ 参考リンク これからの図書館像(文部科学省)
これからの図書館を考えよう!
これらを踏まえて、私が考える未来の図書館像ですが、「リアル」の充実、地域イベントの多い図書館ですね。
ロサンゼルスの大型図書館で以前、折り紙のイベントが行われていました。参加者も子どもじゃなくて若者~年配の方が多かったんですよね、びっくり。一人暮らしのおじいちゃんおばあちゃんって日本に限らず各国にいると思うんですよね。
学校が終わる午後くらいに地域の人が主催するイベントがあれば、夕方以降の保育園的な役割も果たせるんじゃないかなーと。
地元の人が無料で借りられる会議室とかちょっとした施設とかはいろいろあるけど、そういうとこって収益化しちゃいけない制約があるんですよね。これが使いにくいw
アーティストでもビジネスマンでもなんかイベントやりたいなって時に公共施設を借りにくいんですよ、お金もらっちゃいけないから。実際にはイベントやるだけで交通費とか資料代とかかかるし、そもそも準備時間とかもかかってる。その分が取り戻せるくらいの収益は出したいじゃないですか。でも、お金かけて場所を借りると、赤字にならないように参加費用を上乗せしないといけない。そうすると高くなって人集めが大変。
公共施設をもっと無料開放し、小さくチャレンジできる場として提供できれば、ふつうの人がイベントをやりやすくなるんじゃないかなーと思うのです。100円でも自分がやったことでお金をもらえるって嬉しいからね。アルバイトしたい高校生とかに貸し出すのもありだよ。図書館がそういうのに貢献できる場所になるといいんじゃないかなと。
さらに、地元の特色を生かしたイベントの開催。たとえば浅草なら職人さんが多いので、銅製品の職人さんと銅について勉強するとか、地元の歯医者さんに歯のケアについての講義に来てもらうとか。職人さんの工場や病院でやってもいいんだけど、いつもあちこち場所が変わると分からなくなっちゃう人もいるだろうから。なんていうか、観光案内所が図書館機能も兼ねてるみたいな。(実際、大型施設に入ってる図書館ってそういうの一体化してるところありますよね)
「図書館」という固定の場所でいつも誰かが何かをやっているようになれば、図書館をハブにして地域の交流が密になるだろうし、素敵なデザインの図書館であれば、それだけで観光名所にもなるので、イベントと合わせていろんな人が訪れる場になるとおもしろい。個人的には図書館で謎解きゲームとかあったら楽しそうだなぁ。もらった暗号のヒントが本の中に隠されていて、それを探しながら図書館脱出するとか(脱出したい派です)w
おススメ本のソムリエさんが常駐してる図書館とかあっても素敵だな。悩みがあった時に図書館に行くと、スススっと本を選んでくれるやつ。死にたくなったら図書館に行けとなんかの本に書いてあったことがありました。
本は今のところ1冊買いしてるけど、図書館で無料で読んで、気に入った一章だけ簡単に買えるとかでもいいのかも。あるいは図書館本はQRコードがついてて、すぐにシェアできるようになってるとか。
とりあえずまとめとしては、図書館が好きだよってことでした^^
ちょっと長い文章でしたが、読んでくださってありがとうございます!
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