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六波羅蜜の修行を実行する

2024年は、元日に能登半島が大地震に見舞われた。2日には、羽田空港C滑走路にて能登半島地震に対応するため新潟航空基地へ向かう予定だった海保機と、着陸した札幌発の日航機が衝突し、ともに炎上した。日航機の379人は全員脱出したものの、海保機の乗員5人が死亡した羽田衝突事故があった。不穏な1年のスタートだった。
それに反し、年が明けた2025年、日本は穏やかな正月3が日だった。この1年が安穏な1年であってほしいと思う。

私の正月3が日は、いつもと変わらない青山での妻と二人の正月を過ごした。この年末年始は、日並びが12月28日が土曜日、1月5日が日曜日だった。GW並みの9連休という人も多かっただろう。
年中無休を信条としている私にとっては全く関係がないが、世の中の人と合わせて生きている身としては、私も気分は9連休になってしまう。
正月3が日が終わり、あと土日の2日間を残すのみとなった。この土日で1段2段とギアチェンジをして、6日からトップギアで走ることができるようにギアを上げていこう。

昨年3月から、月に2泊3日の頻度で10月まで能登に行き、私が能登のために何ができるだろうかと思い、できることをした。そのこともあり、10月に中能登町地方創生アドバイザーの委嘱を受けた。
11月と12月は、いずれの月も11泊12日と、月の半分近くを能登で住み、地元の人たちの話を聴いた。そして、私は何をしなければならないのか、少しずつ、白黒から天然色に色がついてきた。
年が明け、今月は、テーマを~中能登町、能登半島を応援する~信念会を1月25日に東大駒場で開催することもあり、能登訪問は、14日~17日の3泊4日になる。
2月からも東京と能登の2拠点生活を続けるが、冬の能登は生活環境も厳しく、先は長いこともあり、心身とも元気であることが何よりであり、能登の生活は臨機応変に対応しようと思っている。

『生き方』~人間として一番大切なこと~(サンマーク出版)を読み直した。言わずと知れた稲盛和夫さんのロング・ベストセラーだ。

平成15年末に、明治安田生命にエージェントとして入社したが、そのおり、お客様にお配りした書籍だ。盛和塾から100冊購入した。
表紙を捲ると、稲盛さんが座右の銘とされていた「敬天愛人」が稲盛さんの筆跡で書かれている。私は新しい人生のスタートに当たり、「天を敬い、人を愛する」という敬天愛人の心を持って生きていこうと自分に言い聞かせたのだ。

私の成功に理由を求めるとすれば、
たったそれだけのことなのかもしれません。
つまり私には、
才能は不足していたかもしれないが、
人間として正しいことを追求するという、
単純な、しかし力強い
指針があったということです。

『生き方』の中に、「お釈迦さまが説く『六波羅蜜』を心に刻め」という項目がある。
『六波羅蜜』とは、仏の道において少しでも悟りの境地に近づくために行わなくてはならない菩薩道を記したものだ。いわば心を磨き、魂を高めるために不可欠な修行であり、それは6つあるとされている。

①[布施(ふせ)]
「自分がいまあることに感謝をし、他に善かれかしと願い、人様のために何かをして差し上げることです。その思いやりの心、優しい心を持って世のため、人のために尽くすということ、施しをするということです」
これは言葉の通りで分かりやすいと思うのですが、見返りを求めない施しのことです。
もちろん、これはお金や物を施すといった物質的なものだけではなく、例えば知恵を授けたり、人に対して明るく笑顔で接する、おもてなしをするといったことも含まれています。

②[持戒(じかい)]
「人間としてしてはならないことを定めた戒めをひたすらに守っていくということです。人間として何が正しいのかを問い、その正しいことを貫き、そしてしてはならないことはしないということであります」
自分自身の欲望や欲求に振り回されるのではなく、自らを戒める修行のことです。

③[忍辱(にんにく)]
「恥を忍びなさいということ、苦しいことや辛いことも耐え忍びなさいということであります。人生は波瀾万丈であり、いまは幸せに思えても、いつ何どき苦難が押し寄せてくるか分かりません。その厳しい試練を耐え忍んでいくことが大切だということを教えていただいているのです」
どんな困難に直面しても耐え忍んで生きていく心のことです。ちなみにこれは、食べ物のニンニクの語源だとも言われています。

④[精進(しょうじん)]
「人は生きていくためには働かなければなりません。働くということは厳然たる人生の鉄則であり、お釈迦様は、ただ一所懸命に誰にも負けない努力で働きなさいとおっしゃっています」
不断の努力という意味で、これは日本人には非常になじみが深い考え方だと思います。

⑤[禅定(ぜんじょう)]
「心を静かにすることです。荒々しい心のままでは心を高めることはできません。多忙な毎日を送る中でも心を静めることに努めなさいとお釈迦様は説いておられます」
内省という言葉に言い換えることもできますが、第三者の視点から自分自身を見つめることです。仏教の場合、禅定をするために座禅を組むわけですが、1日1回でもいいから、自分自身を見つめ直して反省する時間を持つということがこの禅定ということになります。

⑥[智慧(ちえ)]
「ここまでの5つの修行に日々懸命に努めていくことで悟りの境地、つまり偉大な仏の智慧に至ることができると言われております」
真理にたどり着く、物事の真理を悟ることで、これが六波羅蜜の最終目標となります。
ここの段階に向けて修行をしていくという流れになります。


私にとって、”能登の復興、地方創生の応援”は、この六波羅蜜の実行にあるのではないか。私が六波羅蜜の修行を実行するために、天は”能登の復興、地方創生の応援”というミッションを与え給うたのではないか。そんなことを考える。
修行と思えば、苦も苦と思わない。修行であるから、その修行をさせていただいていると思って、皆さんに感謝することができる。
苦を喜ぶことだ。しかし、なかなかそうは思えない。それは修行が足りないからだ。だから修行をする。一生修行をする。棺を覆うまで修行をし続ける。

次の世に旅立つためには、人間のレベルを高める必要がある。そのレベル以下であると、善き次の世にはいくことができない。私は我欲の塊であり、だから、できるだけ善き次の世に行きたいと思う。だから、至らぬわが身を鍛えなければならない。修行をし続けなければならない。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)





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