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人に感謝する、人を大切にする
年末に丸の内ホテルの「大安くらぶ」に行ったおり、ホテルに隣接する丸善オアゾで3冊の書籍を買い求めた(「大安くらぶ」は、私が親しくしている安藤裕美さんが社長をしている日欧商事が経営している焼肉レストランだ。そんなことで、私は何かあるとよく利用している)。
私は、若い頃は小説も読んだ。しかし、歳を重ねるに連れ、読むジャンルは狭まってきている。特に興味があって読みたいと思うものがあれば別だが、いつもは評論か随筆、それもジャンルが狭い。
稲盛和夫さん、松下幸之助さんに関する書籍が圧倒的だ。五木寛之さんや佐藤愛子さん、曽野綾子さんの随筆も好んで読む。
政治家が書いたものは、著者がどなたであっても全く読む気がしない。言葉だけで心があるとは思えないからだ。
年末年始はなんだかんだあって読めなかったが、6日~7日の仕事始めに読んだ。企業では、仕事始めは年始の行事で立て込んでいるだろうから、私からは何もアプローチはしない。だから、私がすることと言ったら、読書かウォーキングだ。サラリーマンをやめて良かったと思う。
生憎の雨模様だったから、ウォーキングはやめて読書三昧の2日間だった。
お二人の経営の神様の書籍は私にとっては哲学書のようなもので、それも、とても分かりやすい哲学書だ。どの書籍を読んでも、さまざまな観点からその思想を説いていらっしゃる。
しかし、いつも新しい気付きがある。今までの私の想いが如何に表面的であったかに気が付く。だから同じなようで同じではない。私がその思想の真髄をほんとうに心の中に落とし込んでいなかったからだ。だから、何度でも新鮮な気持ちで読む。同じ書籍を読み込んだり、丸善ブラで買い求めたり。
心の中に落とし込んでいないということは、未だ実行が伴っていないからだ。陽明学の”知行合一”がまだまだできていないからだ。
読み込むと、改めて新しいことに気が付く。少し深堀りになる。一層強い想いを持たなければならないと思う。そして、それをもう一度、実行しようと思う。
そして、私の第二生のミッション~能登の復興、地方創生の応援~で、知行合一を果たそうと思う。
日本の歴史に名を遺す経済界の雄・稲盛和夫。彼が率いた企業グループは、創業者亡き後も成長著しい。
確固たる理念によって経営を行うことを提唱した稲盛の思想は、同郷の英雄である西郷隆盛の教えから多大な影響を受けていた。
本書では稲盛の考えと西郷の遺訓を比較することで、私たちが成功するためのヒントを分析する。
史上最高の経営者に学ぶ最強のリーダー論
元側近の著者が成功の秘密を解き明かす決定版!
能力は60点でいい。大事なことは、熱意。「熱意のない人の能力は増すことはないが、熱意のある人の能力は、その熱意に比例して増していく」。それが、松下さんの人材観でした。ですから、他社の経営者から見れば、無謀とも思えるほど、社員に、部下に、どんどんと大きな仕事を任せました。
権限を委譲して、責任を待たせて仕事をやらせる。そうすれば、「立場が人を育てることになる」ということでしょう。「60点の能力と滾る熱意」が、権限を委譲する時の目安だということです。(本文「能力は60点でいい」より抜粋)
今日までこの自分を支え、生かしてくれたものは何か。明日をも知れない時代に、信じうるものははたしてあるのか。次から次へと際限なく襲ってくる日常のトラブル、身体の不調、老化のきざし、自己嫌悪とやり場のない怒り、脱力感と諦め――。それでも私たちは、生きている。生かされている。〈他力〉の風に吹かれて……。「人生に希望というものは本当にあるのだろうか」。法然、親鸞の思想から著者がたどりついた、乱世を生きる「一〇〇のヒント」!
松下幸之助さんは、経営者の心根について仰っている。このご指摘は、経営者に限ることではない。人間として、こうあるべきだということだ。
ああせい、こうせい
→ああしてください、こうしてください
→どうぞ頼みます、願います
そして、最後は、
→手を合わせて拝む
はたして、私は、パートナーや全てのお世話になっている人たちに対して、手を合わせて拝んでいるだろうか。これは、世のため人のため、自利利他、忘己利他とか言う以前のもっと根っこのところの、初歩的で基本的な、”人さまに対する姿勢”だ。
五木寛之さんが仰る、”他力”に深く感謝する謙虚な姿勢だ。
勿論、「自ら立つ」自力を高めることが大前提であることに変わりはない。人さまを頼る前に、自分自身がしっかりと立つことが基本だ。
しかし、一人ができることは限られている。松下幸之助さんや稲盛和夫さんのような哲人経営者であっても、一人では何もできない。
多くの人たちが、お二人の思想、考え方、人に対する想いに心を打たれ、「お二人に付いていこう、協力しよう」と思って、援けてくださったから、お二人は偉大な哲人経営者になることができた。
他力があってこそ、人は偉大なことを成し遂げることができる。
心したいことだ。
不動院重陽博愛居士
(俗名 小林 博重)