不登校を考える(OUEN塾の目指すところ)
11月19日(火)、中能登町6日目。
昨日(11.18)、中能登町教育委員会(学校教育課、生涯学習課)の幹部の皆さんとフリートーキングをする時間をいただいた。
「今、学校(小学校と中学校)で何が一番問題なのか」とお聞きしたところ、それは不登校なんだと。少子化なのに、不登校の児童や生徒の数が絶対的に増えている。
中能登町では、小中学生の総数は約1,200人だが、そのうちの40人が不登校とか。それも毎年増加しているのだと。不登校の比率も絶対数も増えている。
ネットで”不登校”を検索してみた。
Y!ニュースで、”少子化なのに「不登校」激増の異常事態”(ディリー新潮、11.18配信)という記事が載っている。
先ごろ、全国で小中学生の不登校が激増しているという衝撃的なデータが発表された。文部科学省が行った2023年度「問題行動・不登校調査」の結果、その数は34万6,482人と過去最多だったことがわかったのである。しかも11年連続の増加で、前年度からは16%も増え、はじめて30万人の大台を超えてしまった。
不登校とは、病気や経済的理由をのぞき、心理的および社会的な要因で小中学校に通えない日が年間30日以上あることを指す。23年度の内訳は小学生が13万370人、中学生が21万6,112人で、いずれも前年度より2万人以上増えている。10年前とくらべれば小学生は約5倍、中学生は約2.2倍だといえば深刻さが伝わるだろう。
小学生の増加率が高いことから、低年齢化の傾向にあることがわかるが、ことに23年度は小学1年生が9,154人で、2年前から倍増した。学年が低くなるほど増加率が高いということは、今後、不登校の数はさらに増加すると容易に予測できる。また、年々少子化が進行しているなかで、不登校の絶対数が増加しているのだから、児童生徒に占める不登校の割合の増加は、絶対数以上に深刻だということにもなる。
とくに23年度に急増した理由としては、コロナ禍の影響も指摘されている。集団生活を送る機会が減ったり、生活のリズムが崩れたりして、学校生活に適応しにくくなったというのである。たしかに、その影響はあるだろう。子供は新型コロナに感染しても重症化しにくいとわかってからも、学校で過剰な対策を強いたことの負の影響については、早急に検証する必要がある。
だが、コロナ禍がはじまったのは2020年であり、それだけでは不登校が11年続けて増加した理由の説明にはならない。学校の教室での大きな声や音に耐えられないなど、従来の学校生活のあり方に適応できない子が増えている、という指摘もある。実際、そういう子は増えているのだろう。だが、問うべきは、どうして適応できない子が増加しているのか、という大本の原因である。
不登校は都会だけのことだと思っていたが、豈図らんや、中能登町の田舎においても同様に、教育現場では不登校が最大の問題になっている。
中能登町は、2005年に、鳥屋町、鹿島町、鹿西町の3町が合併してできた。人口16千人弱の小さな町である(私は旧鹿西町に生まれた)。
私の当時は、3つの町にそれぞれ1つの中学校があった。小学校は、それぞれ複数あった。一番小さい鹿西町でも小学校は2つあったから、3つの町では10校弱はあったのだろう。
それが、今は、中学校は中能登中学校の1校のみ。小学校は、鳥屋小学校と鹿島小学校と鹿西小学校の3校のみだ。それゆえ、学校の校区は拡がっている。
私の当時は、鹿西町には、能登部小学校と金丸小学校があり、児童は徒歩で登校していた。能登部小学校には、後山分校という1~3年生まで通う超過疎地の学校もあった。
鹿西中学校では、自転車通学が許された。金丸地区の生徒は七尾線の金丸駅から能登部駅まで一駅乗って通学していた。当然、一人で通学した。
今はどうか。校区が拡がったため、中学校は鉄道通学も自転車通学もあるだろうが、親は一人に1台車を持っている家がほとんどなので、登校は親が車に乗せて通学する生徒も多いのだとか。小学校となると、その比率はもっと高いらしい。
町はと言えば、スクールバスを出している。交通費も一部負担している。
私の当時と比べようもないが、半世紀前は全て自己責任だった。一人で行動していた。親も仕事で忙しく、「勝手にせい」ということだった。今は、至れり尽くせり。町も、子は宝と思って面倒を見る。少子化だから、当然そうなる。
私の時代は、小学校では、秋の下校の時は、実りの秋だから、いろいろ畑に実っている果物を失敬して、見つかって追いかけられたことも間々あった。そして、親が謝りにいってくれたこともある(私の場合は、その役目は祖母だった)。
悪さはしたが、それが生きる肥しになっていたような気がする。不登校など聞いたことがなかった。
今の子どもたちは、ひ弱になっている。これを学校でどうしようとするのはなかなか難儀なことだ。かと言って、公的機関としてこうしろああしろという世界でもない。
そんなことを思って、「OUEN塾の役割はこんなところにあるのかな」と考えた。老若男女、全ての世代、全てのジェンダーのためのOUEN 塾だ。
扨て、はて、OUEN Japan に何ができるだろうか。
ない頭を捻って、ある人のお力を借りて、この課題解決の一助となるべく、貢献していきたい。
不動院重陽博愛居士
(俗名 小林 博重)