デザイナー読書メモ番外編:スペキュラティヴ・デザインとは
毎週読書をして感想をまとめているのですが、今回手にとった本はこちら!
「問題解決から、問題提起へ。」という謳い文句と中身をパラパラみて気になって読み始めたのですが…私の知識が乏しくあまり頭に入ってこない…😅
なので…
まずはスペキュラティヴ・デザインとは?ということを事例を交えてまとめてみたいと思います!
スペキュラティヴ・デザインとは?
デザインといえば問題解決のためのデザインを思い浮かべますが、スペキュラティブデザインは課題について考えるきっかけを「提起」するデザインと言われています。
デザインを、物事の可能性を“思索"Especulate]するための手段として用いる
のだ。これがスペキュラティヴ・デザイン[speculative design]である。スペキュラティヴ・デザインは、想像力を駆使して、「厄介な問題 [wicked problem]」に対する新しい見方を切り開く。従来とは違うあり方について話し合ったり討論したりする場を生み出し、人々が自由自在に想像を巡らせられるよう刺激する。スペキュラティヴ・デザインは、人間と現実との関係性を全体的に定義し直すための仲介役となるのだ。
事例
概念的に理解しても、具体的にどういうものなのかイメージしにくいと思うので日本人の作品の事例を集めてみました!
■スプツニ子!さん 「生理マシーン、タカシの場合」
生物学的にも文化的にも歴史的にも、人間にとって月経とは何を意味するのでしょうか?誰が月経を選択し、どのようにして月経を行うのでしょうか?
ミュージック・ビデオには、日本の女装趣味の少年タカシが登場しています。女友達に生理がどんな感じなのか知りたいという欲求を満たすために、機械を作って身につけていく。
日本でも有名なこの作品には、女性に当たり前に起きる生理という現象自体や、この現象を取り巻くテクノロジーや政治的、社会的、文化的背景に対して考えさせられる作品です。
答えを示したり、解決策を提示するのではなく、問題を発見して見る人に討論させたり考えさせたりするような、それがスペキュラティヴ・デザインのようです。
■長谷川愛さん 「私はイルカを産みたい…」
人間は遺伝子を次世代に渡す方法として子供たちを育てるように遺伝的に仕向けられていますが、人口過剰と緊張した地球環境のために最適な状況で子供を育てることはより難しくなっています。
このプロジェクトは、潜在的食物不足とほぼ70億人の人口の中、これ以上人間を増やすのではなく、絶滅の危機にある種(例えばサメ、マグロ、イルカ等)を代理出産することを提案しています。
子供を産みたいという欲求と美味しいものが食べたいという欲求を満たす為に、食べ物として動物を出産してみてはどうか?という議論を提示し、そして如何に可能にするかという方法も示します。
未来に予測できる問題に対して、人間が「当たり前」と思っていることを覆すような議論を提示しています。
人間が人間以外を出産するというSFのようなことを、本当に実現する未来がくるのではないかと思わせるリアリティがすごいです。
湧いてきた疑問
本を読みながら事例を探してみて湧いた疑問をメモします。読後にクリアになると良いなと思います。
・これってデザインなのか?アートとの違い
・もっと様々な媒体や製品での事例がみたい
・どういう流れでこの考えが出てきたのか
・日本や世界でのスペキュラティヴ・デザインの現状
内容は難しいのですが事例をみていくとかなり面白そうで興味が湧いたので頑張って最後まで読もうと思います!